万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第6章 6章 砕けた硝子の意味
実「どうなってやがるゥ!?女の子供は擦り傷が多いが気を失ってるだけだな。…男の子供の方は…息はしているが、鼓動が弱い…。クソッ今から胡蝶を呼んでも間に合わねェ…。ッ悪いなぁ。助けられなくて…。にしても何で傷がない?この妹の力か?最期まで兄ちゃんを助けようとしたのか?」
状況を確認する。
明らかに兄の回りだけ血だらけなのに、体や顔に擦り傷一つ見つからない。
だとすれば考えられることは一つだ。
御館様から聞いた通りなら、この少女が妙な力を使って兄を助けようとしてたしか考えられねぇ。
兄はここで何故か死んでいる鬼とは、べつの奴に殺られたことは確かだ。
兄からここにいる鬼とは、別のもっと雑魚な鬼の匂いや気配が僅かに感じ取れる。
クソッ!
俺がもっと早く村に着いて塵ども一掃していれば、兄は死なずに済んだかもしれない。
少女は独りぼっちにならなかったかもしれない。
そう思うと自分に苛立ちが隠せず拳を強く握る。
後悔しても遅い。
何とか気持ちを抑えつつ、隠に少女の手当てさせ、最期の時まで一緒にいられるよう、少女の体を兄の体に近付け、手を握らしてやる。
そしてもう一人の兄の気配をたどったが、
実「どういうことだァ?血の気配はこいつのしかしねぇぞォ。拐われたのか?いや御館様の話だと拐われる可能性があったのは妹の方だァ。クソッ塵屑どもが暴れまわったせいで、生きてる人間を感知できねぇ。」
あたり一面村人達の血の匂いで感覚が鈍くなっている。
生きている可能性があるなら鬼ども殲滅しながら探し出してやる。
それよりこの鬼はどういうことだ?
少女の近くに鬼の血がついた長包丁がある。
鬼の頭は潰されているが、胴体は斬りつけられた痕跡がある。
明らかに少女が斬りつけたとしか考えられない。
だが、聞いてた話によれば常中はできるが戦闘能力はないとの事だった。
それに鬼の頭は握り潰されたようにぐちゃぐちゃだ。
そんな事を少女どころか、俺や柱達でもこんな状態にするのは不可能だ。
この鬼を唯一殺せる奴が一人だけ存在する。
この家に入った時一瞬だけ感じた異常な禍々しさ。
間違えない。
実「…鬼舞辻無惨がここに来やがったってことかよ…。」