万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第6章 6章 砕けた硝子の意味
私が視線を向けたほうへ目の前の鬼が同じように向けた。
鬼「ほう。先ほどから妙な気配がすると思ったら、なんとまあ無様姿をしている。あれはお前がやったのか?まぁいい。少しあやつに確かめたいことがある。絢蘭はそこを動くな。」
私に忠告したあと、目の前の鬼はもう一体の鬼のほうへ近付いた。
その瞬間に逃げ出すことも可能だったが、恐怖のせいか体に上手く力が入らない。
逃げ出せたとしてもその後が恐ろしいので、とりあえず言うことを聞くことにする。
鬼「なるほど。お前か。私にこの少女の情報を送ったのは。その点に関しては誉めてやっても良いだろう。」
殺気を出しているのに表情が穏やかなので余計に恐怖を感じる。
だがこの鬼のせいで、私の術が簡単に破れ、元下弦の参は顔を再生しつつさっきまでの鬼とは思えない程丁寧な言葉遣いで話だし、驚いた。
参「無惨様!このような姿でご挨拶することになり申し訳ございません。よくは分かりませんが、少しでも無惨様のお役に立てたのならば光栄でございます!」
『無惨…様?』
"無惨"これがこの鬼の名前なのだろう。
鬼にも上下間系ってあるんだ…。
なんて呑気に考えていたら、無惨と呼ばれた鬼が再び私の方に自然を向けてきた。
鬼「そう言えば、私の名を名乗っていなかったな。姫君に対して無礼だった。私は鬼舞辻無惨だ。近い将来お前が生涯共にする私の名だ。」
そう名乗る、鬼舞辻無惨からやはり穏やかな表情で私に対してだけは、殺気を感じない。
その鬼に対しては誉めようが殺気が溢れでていたのに。
しかもその鬼は誉めて貰えたのが、そんなに嬉しいのか、鬼舞辻無惨の殺気にには気づいてないようだし。
この鬼って馬鹿ではないのか?とつい思ってしまう。
鬼舞辻無惨は再度鬼の方へ視線を向ける。
鬼「さて、お前には私の問いに答えてもらう。何故お前はここにいる?」
そう問い只した瞬間氷つくような空気に変わり、呼吸が苦しくなるほどの威圧感。
思わず息をするのを忘れてしまうほどで、自分の体を擦り何とか落ち着きを取り戻そうと、ゆっくり深呼吸を試みる。