万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第6章 6章 砕けた硝子の意味
その笑顔が見たかったのに、私ではなく餓鬼へ向けるとは…。
今すぐ支配してしまいたい気持ちにかられるが、抑える。
泣き顔を見させらるよりましだ。
姫君の肉親の様だが、私が手を下さずともその餓鬼はじきに死ぬ。
姫君が再びこちらをむく。
『ど、どうして…助けてくれたの?』
なんと!声色まで同じとは!
しかし、まだ可愛そうなぐらい震えている。
私はそんな怯えた目は見たくない。
鬼「私は、お前を悲しませるようなことはしない。ただ話の邪魔になるから眠らさせただけだ。それにしても瓜二つだ。私は約一千年の間、再びお前が現れるのを待っていたのだぞ。」
微笑みながら伝える。
『えっ!!』
鬼「驚くのも仕方がない。お前は前世の記憶が無い様だから。しかしこの私を、一千年も待たし探されるとはお前しかいない。しかしそれさえ愛おしいと思うだから。人間は待てば待つほど会えた時の喜びが大きいと聞くが、その点だけは理解できる。なぁ"万華鏡の姫君"よ。」
震えながらも私のことばを必死に聞く姿がまた可愛らしい。
姫君は一体どれだけ私を誘惑するのだ。
『…万華鏡の…姫君!…でも私は…』
"万華鏡の姫君じゃない"というのだろう?
だが誰だろうと関係ない。
鬼「知っている。お前は万華鏡の姫君の生まれ変わりだと言うことは。しかし関係ない。お前の容姿や声、まだ少ないがその力、何より澄んで輝く瞳がお前を万華鏡の姫君だと物語っている。でなければ、この私がこのような所まで赴くわけないからな。現世、今のお前の名はなんと言う?」
『……絢蘭…。』
鬼「ほう。絢蘭か。良い名だ。凜も美しい名に容姿だったが、絢蘭もこれからより美しく魅了的な姫君になることだろう。さすがは、我姫になるだけである。」
絢蘭という名に、何となく狗巻凛以上のも感じとり思わず絢蘭の顔に近より頬を撫でる。
近くで見る絢蘭の顔はやはり万華鏡の姫君そのものだ。
しかし目が赤く腫れており、涙を流した後があった。
後ろの餓鬼絡みか?
私の姫君を泣かしたのはどこのどいつだ。
怒りを抑えつつ問う。
鬼「どうしたんだ?こんなに目を腫れるまで泣かされて可哀想に。誰に泣かされた?」
姫君は瞳を揺らしながら、視線を別の場所へ移した。