万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第6章 6章 砕けた硝子の意味
ゆうは頬に添えていた手で優しく涙を拭ってくれた。
有「俺の方こそ好きになってくれてありがとう。死んでもお前への気持ちは変わらないし、先言った通り近くで必ず守り抜くと誓うよ。…。本当はもっと前に気持ちを伝えていい返事を貰った時に渡そうと思ってたんだけど…。」
ゆうは手をゆっくり離し何か懐から取りだした。
それを見て安心した表情を見せると、その手を私の前に差し出し広げる。
有「これを…。本当は絢蘭の誕生日に渡すつもりだったんだけど、私そびれちゃってさ。だから今日想いを伝えたときに渡そうと思ったんだ。ごめんな本当は指輪を渡せたらかっこ良かったんだけどな。受け取ってくれるか?」
それは私の好きな桃の花のペンダントだった。
シンプルなデザインが、銀色の桃の花がより存在感を引き立てている。
ペンダントだってきっと高かったはずなのに…。
でもゆうの気持ちを無下にする気もないし、何よりも嬉しい。
私は満面の笑みで頷き、そっと手に取る。
『ありがとうゆう。本当に嬉しい。一生大切にするね!でも私…ゆうに何にも用意していない…。』
こんな綺麗で高価ものを用意してらなん全く気付かなかった。
私だって何か送りたい。
少し落ち込んでいると、
有「そんな事気にするな。俺が勝手に渡したんだから。そうだ、それを着けて見せてほしい。本当は俺が直接着けてやりたかったが…。」
『うん!んーっと、どうかな?』
慣れない留め具に少し苦戦しながら着けて見せる。
有「やっぱりよく似合っている。この花を見た時絢蘭の笑顔が浮かんで、これだと思ったんだ。これかもこの桃の花様に絢蘭にはずっと笑っていて欲しい。」
そんな想いが込められているなんて…
また流れそうになる涙を必死に堪え、桃の花を握りしめ誓うように笑顔を向ける。
「なぁ…。最期に俺の願いを叶えてくれないか?…絢蘭と恋人として口付けをしたい。」
願いの内容に顔が赤くなるが、私も同じ気持ちだから小さく頷く。
ゆうも顔を少し赤らませ、頬に添えられいた手を私の頭に移動させ、ゆうの顔少しずつ近づいてくる。
そしてゆうと私の唇が一瞬重なる。
私の初めての口付けは少しだけしょっぱく、そして甘くて幸せなものだった。