万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第6章 6章 砕けた硝子の意味
参【まぁ、結局お前らの家見つけられたしどうでもいいことだ。しかもこんなご馳走まで用意してくれて逆にありがてぇな。】
何が何でも絢蘭を喰らうようだ。
鬼の口元から唾液が垂れる。
その様子に、更に嫌悪感を高める絢蘭。
しかし…
参【元々はお前ら兄弟三人とも喰う予定だったんだよ。餓鬼の血肉は栄養がいいからな。だが、お前一人喰えば充分だ。お前を喰えば、残りの餓鬼らは塵糟同然だ。そんなもん喰ったって糞不味いだけで意味がねぇし。ハハハハ。】
唾液を垂らしながら馬鹿にしたように笑う。
その言葉を聞いた瞬間、ブチっと絢蘭の感情が切れる音がした。
『…なんって言った?』
参【はぁ?】
絢蘭の全ての感情が怒りへ変わっていく。
有一郎を守っていた結界も解けてしまったが、本人は怒りで気づいていない。
『今、ゆうとむいの事何って言った?私の大切な家族を何って言ったか聞いてるの。』
普段の絢蘭から聞いたことのない声の低さと滲み出る怒り、有一郎は驚きを隠せない。
だが鬼はそんな事気づくはずもなく馬鹿にしたように同じ言葉を吐こうした。
参【だからお前の兄弟は、塵糟とおなっ…】
ドォォン!!
鬼は言いきる前に、目の前にいた少女に思いきり蹴り飛ばされ、壁に埋まる寸前だった。
有一郎や蹴られた鬼、勿論蹴った少女、絢蘭本人はどこからそんな力が出たのか分かっていない。
絢蘭自身は、自分よりも大切な兄弟を貶された事への強い怒りしか感じていない。
その怒りを負の力として脚に溜め、常中の状態での渾身の蹴りをおみまいしたのだ。
参【てめぇ!なにッグハァ】
何しやがると言おうとした瞬間再び蹴り飛ばされ、奥の柱に激突する。
『うるさい。黙れ。』
有「絢蘭…。」
有一郎の声さえ届かないほど、怒りで支配されている。
絢蘭から聞いたことのないきつい口調に有一郎は更に驚く
絢蘭は握っていた長包丁に呪力を送り込む。
本人はただ目の前にいる、兄達を侮辱した悪鬼への怒りしか分かっていないため、完全に無意識だ。
絢蘭自身から物凄い呪力が溢れている。
それを感じ取ったのか鬼はさっきとは一変、怯えた表情になっている。