万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第6章 6章 砕けた硝子の意味
Noサイド
ところ変わってここは東京都浅草。
比較的都会なこの地は、夜なのに、人々で賑わっている。
そんな繁華街に一際目立つ洋館のような家が一軒建っている。
そこの主はやはり金持ちなのか、黒いシャツにきらびやかな黒色の上着に白いパンツのスーツを着こなしている。
この主の男は仕事ができると評判にはなっているが、何故か夜しか外に出ることはないそうだ。
男が熱心に外国の植物の本を読んでる時、突然頭の中にある少女の映像が流れてくる。
一瞬疑う表情をした束の間、つい声をあげて笑ってしまう。
?「クククッ。やっとか」
玲「あら月彦さん。何か面白いものでも見つけたのですか?」
月彦と呼ばれた男の前に、新しい紅茶を差し出したのは、月彦の妻である玲だ。
月「ああ。すまない玲さん。急用が出来た。すぐに戻る。」
玲「お仕事ですか?お気をつけていってらっしゃい。」
玲に一言掛けると、愛用の白いハットをかぶり玄関へ向かう。
そして外にでて路地に入ると、おもむろに立ち止まった。
月「やっと見つけたぞ。この私を千二百年待たせるとは相変わらずいい度胸をしている。しかしそんな事さえ愛おしく思える。クククッ。今会いにいってやるから待っていろ
愛しの"万華鏡の姫君"」
そう笑う月彦の肌は月に映えるほど白い。目は、猫のように縦長な瞳に変わり、口からは獲物を捕らえるような牙が生え、指先の爪は鋭く尖っていた。
その姿は人間ではなく鬼そのものだ。
そう
この鬼こそが
千二百年前に狗巻凛に滅ぼされかけ、今だに彼女を探している
鬼舞辻無惨だ。