• テキストサイズ

【NARUTO】月影の恋人(R18)

第9章 居場所



「いいと思う」

カカシは満面の笑みで答えてくれた。

「っ、でもいいんかな?火影の妻やのになんで?とかならん……?」

落籍された遊女は、妾や妻になって夫に生涯尽くすものだと教え込まれてきた。
ただでさえ家事もろくに出来ないわたしが、自分のことばかりしてていいのだろうか……。

「やっぱりそう思ってると思った」

カカシがひとつため息をつき、そっとわたしの手をとる。

「オレは結がやりたいことやって幸せそうに笑ってるのが1番嬉しい。
結婚は何年後でもいいし、形にこだわらずに結には好きなことをしてほしい」

ぎゅ、と握られた温かい手。
そこから伝わるのは深い愛情だ。

「わたし、世界一幸せな遊女かもしれん……」

「そうなら嬉しい」

視界が涙で滲むけど、わたしは精一杯の笑顔でカカシを見上げた。
カカシのボヤけた笑顔が近づいてきて優しい口付けを交わす。

 人の居場所は家や建物じゃなく、信じ、愛し合う人の心の中にあるんだと、わたしはこの一夜で初めて知ることができたのだった。


/ 93ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp