• テキストサイズ

【NARUTO】月影の恋人(R18)

第1章 月下の出会い



「もー……」

カカシは文句を言いながらも目を閉じた。
わ、まつ毛まで銀色だ。
結構長いんだなぁ。
ふと左目にある傷が気になり繋いでいないほうの手でそっと触れる。

「……ちょっと、触らないでよ。
寝れないでしょ」

「あ、ゴメン」

パチリとカカシの目が開く。
急に目があって、カカシを見ていたことが恥ずかしくなる。

「素直に謝るからビックリした」

「ちょっとそれどういう意味?」

「そのままの意味でしょ」

トロンとした眠そうな目でカカシが笑う。

「ひどっ」

こうやって軽口をたたきあえる人なんて、お客じゃなくても今までいなかった。
なんか、すごく楽しい。
自然と下がる眉尻に、今までにない幸せを感じる。
すると、カカシがいきなりわたしの頭をわしゃわしゃと撫でた。

「わっ!なにするんっ!」

「ふふ。夕月ってなんか猫みたい。
ぷいってそっぽ向いたと思ったら甘えてきて……。
だから、なんかかまいたくなる」

温かい手は頭にまだのったまま。
そっと見ると、ドキリとするくらい優しい顔でカカシが笑う。
体が熱くなり、心臓がおかしな速さで鳴りだす。

「っ、っ、動物扱いせんといて!!」

どうしていいかわからず、カカシの手を離し赤い顔を隠すようにぷいっとそっぽを向いた。

「そーゆーとこ」

クっクと笑うカカシは心底楽しそうで、怒っていた気持ちはすぐにしぼんでしまう。
でも、わたしはどうやってカカシの方に寝返りを打っていいか分からなかった。
カカシはそんなわたしの気持ちなんて気づいてないみたいに話し続ける。

「オレ、犬飼ってんだけどね、飼ってるって言うか忍犬だから相棒なんだけど……。
最近全然呼び出せてないから、久しぶりに、会いたい……」

話の途中で急にカカシが静かになり、わたしは不思議に思ってカカシを振り返った。

カカシは微かな寝息を立てて眠っていた。
大の男の人を前にして可愛いなんて変なのかもしれないけど、カカシのどこかあどけない寝顔が可愛いくて、思わず笑みが漏れる。
話しながら寝るなんて、よっぽど疲れてたんだろう。
すぅ、すぅという微かな寝息を聞いていると、わたしも急に強い眠気に襲われる。

カカシが寝たらあっちの部屋戻るって約束したし、戻らな……

そう思いながらも、わたしは睡魔に勝つことができず、そのまま目を閉じてしまった。





/ 93ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp