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【NARUTO】月影の恋人(R18)

第7章 門出


「え?じゃあわたしは?」

わたしはどの店に振り分けられたのだろう。

「お前は、そいつと一緒になったら、ええ」

「え???」

一瞬言われた意味が分からず、ポカンと口を開けたまま親父さまを見つめる。

「それ、どういう……」

「だから、身請けを認める言うてるねん!」

「っ、ホンマに!!?」

「ありがとうございます!」

ビックリする私の横で、カカシが親父さまに頭を下げる。

「500万はきっちり払ってもらうからな!!」

え、500万!?わたしは人気の遊女って訳じゃない。
500万はいくらなんでもふっかけすぎじゃないだろうか。

「もちろんです」と二つ返事でオッケーするカカシもカカシだ。

「ちょ、ちょっと待って!?いくらなんでも高すぎん??」

「アホ、大事な一人娘をいつ死ぬか分からん野郎にやるんや!
これくらい貰て当たり前や!」

「いやいや!!」

「結、お金のことは心配しなくて大丈夫だよ。オレ普段はほとんど使わないし、蓄えもあるから」

「結を金に困らせたら許さんで!」

「はい。何不自由ない生活をお約束します」

なんか、男2人で会話が進んでいく……
急な展開に頭がついていかず、わたしは身請けのだろうか、書類を交わす2人を呆然と見ていた。

「あ、あの親父さま。身請け、許してくれてありがとう。
でも、最後にな、親父さまの傷が治るまでそばに居させてくれん?
背中の火傷の薬塗るん、自分じゃ大変やろ?
カカシ、いいかな?」

「もちろん」

カカシは微笑んで許してくれる。
でも親父さまはぷいっと子供みたいに横を向くと、わたしを追い払うように手の甲を振った。

「そんなん誰かしらにしてもらうから、いらんわ」

「とか言って、絶対薬塗るんサボるやん!わたしが見張っとってあげる!!」

「あげるとか何様やねん!いらんもんはいらん!」

子供みたいに意固地になる親父さまに言い返そうとしたのを、カカシが止める。

「楼主、どうか結の願い聞いてあげてください。
結は楼主に救われたこと、常に感謝していました。
結婚する前に、その感謝を伝えたいんだと思います」

「ぐ……」

カカシに言われ、悔しそうに親父さまが黙ってしまう。
わたしは畳み掛けるように、親父さまに懇願した。

「最後のお願い!わたしに親孝行さしてや」
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