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【NARUTO】月影の恋人(R18)

第7章 門出



 真夏の夜、屋根の上に上がって夜風を浴びる。
昼間よりも暑さは幾分和らいでいるが、熱く湿気った風がぬるりと肌を撫でる。
わたしは厨房からくすねてきた冷酒の瓶に口をつけて、直接注ぎ込む。

「ぷ、はーーー」

ここで一人で飲むお酒はやっぱり美味しい。

久しぶりにここに来たな。

 以前は嫌なことがあればここに来て、仕事をサボってばかりいた。
でもカカシが現れてからは、世界が変わったみたいにキラキラしていたから、ここのことはすっかり忘れていた。
もちろん嫌なこともあったけど、そんなことは大したことじゃなかった。
 カカシの固くて、でもしなやかで、傷がたくさんある体に包まれると、わたしはいつだって安心することができたし、左に大きな傷がある、少し垂れた灰色の目で見つめられると、いつも、今でもドキドキしてしまう。
わたしのすべてがカカシが好きだと言っていた。
だから、親父さまには育ててもらって感謝してるけど、あの大名のところには絶対行きたくない。
そんなことを考えながらお酒を喉に流し込んでいると、

「行儀、悪すぎでしょ」

クスクス笑う、聞き慣れた大好きな声。
振り返らなくてもわかる。

「カカシ!!」

「今日は珍しく早く終わったから来ちゃった」

カカシが軽い足取りでこちらにやってきて、隣にストンと腰掛ける。

「嬉しい!」

わたしは空いている手をカカシの腕に絡めて、肩に頭を乗せて寄りかかる。

「うわ、結お酒臭っ」

「へへー、飲んじゃった。
カカシも飲む?」

「……いらない」

コップがないから飲んでいた瓶を差し出すと、嫌な顔をされる。
それどころか、飲み過ぎだとお酒の瓶を取り上げられてしまう。

「んー、いややー」

取り返そうと手を伸ばすが、届かない場所に遠ざけられてしまう。

「酔っ払いすぎだからもうダメ。
こんなとこで飲んでたらいつか落ちるよ」

「落ちる前に助けに来てくれるやろ?」

「いつでも来れる訳じゃな……」

もっともな反論をする素面のカカシが面白くなくて、首に手を回しキスをする。
カカシは一瞬ビックリして固まってたけど、すぐに背中に手を回し、キスに応えてくれる。


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