• テキストサイズ

【NARUTO】月影の恋人(R18)

第5章 * 光の中のプロポーズ



2、3歩よろけてなんとか踏みとどまると、結が心配そうに見上げてくる。

「大丈夫?」

「ん、やっぱ緊張、してたみたい」

ふふ、と笑うと結も笑う。

オレはゴソゴソとポーチを探って小さな箱を取り出す。

「結、左手、かして?」

不思議そうな顔で左手を出した結の細い薬指に、赤い石のはまった指輪をそっとはめる。
指輪は結の指にピッタリだった。

「これ……」

「うん。婚約指輪。
仕事中は付けれないかもしれないけど、贈りたかったから……。
ってこれってプロポーズの前に渡すものだっけ?」 

何度もシュミレーションしたはずなのに全然うまくいかなくて格好悪いな。
でも結はキラキラした涙を一粒零してこう言った。

「ううん、ううん……。
嬉しい。
すごい、嬉しい。
きれい……。
ありがとう……」

結は指輪を見ながら涙を流し続けた。
ああ、この涙は蛍よりも、この石よりも、何倍も綺麗だと思う。

「よかった。
この石、砂の国の特産で、永遠の愛って意味の石なんだって。
結のこと、愛してるよ。
ずっと、一緒にいてね」

コクコクと頷き結が涙でくしゃくしゃの顔でオレを見つめる。
愛おしくて仕方なくて、オレはその涙を袖の裾で拭うと、長い長いキスをした。




/ 93ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp