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【NARUTO】月影の恋人(R18)

第4章 * 結ばれた二人



 あれから2週間、カカシとはまったく会えていない。
カカシが砂の国に、急遽行くことになってしまったためだ。

好きと言ってしまえば、抑えていた感情が溢れ出して、会えない今、胸を柔く締めつけた。
まさか自分を好いてくれているなんて思いもしなかったし、誰かに体目的ではないこうした純粋な好意を寄せられたこともなかったから、幸せすぎて少し怖い。

でも、会いたい……

真昼間、湯船に体を沈めながら目を閉じる。
あの日くれた言葉が、温もりが、今でも昨日のことみたいに思い出される。
抱き合って、今まで隠していた想いを吐露するように夢中で唇を重ねた。
お互い苦しくなって唇を離したとき、パーンと襖を開いた。

「姐さん、おはよう!
朝ごはんだよ!」

わたしが世話している禿の沙耶だった。
慌てて体を離すわたしたちをよそに、こういう場面に慣れっこの沙耶は、テキパキと持ってきたお膳を並べてさっさと出て行った。
朝だということも忘れて夢中でキスしていたことが恥ずかしくなり、カカシと顔を見合わせて苦笑する。
パタパタと遠ざかっていく足音を聞きながらカカシを見上げると、私の乱れた髪をそっと耳にかけてくれた。

「せっかくだし、温かいうちにごはん食べよっか」

「うん」

いつもはわたしが起きる前にカカシは帰ってしまってるので、朝ごはんを一緒に食べるのは初めてだった。
明るい部屋で向かい合って食べるご飯は、いつもの100倍おいしかった。
店が閉まる時間ギリギリまで、ただひっついて過ごした。
カカシが戯れに私の髪や頬、まぶたにキスしてくれて、くすぐったくて、そして幸せだった。
口布を外したカカシはカッコよくて、口布を外せばいいのにと思う反面、わたしだけが知っていたいから、ずっとつけていてほしいとも思った。



気がつくと、カカシのことばっかり考えていた。

店が開く時間まではまだ少しある。
うちわで仰ぎながら窓から外を覗いたとき、下の通りに見覚えのある銀髪が見えた。

カカシだ!!

わたしは着の身着のまま部屋から飛び出した。
途中すれ違った姐さんに叱られたけど、そんなことはどうでもよかった。
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