第23章 早とちりも程々に※
唾液が絡み合う口づけは深くて甘い。
ほの花の柔らかな唇に己のを押し付けるだけで幸せだと感じるのに、もっと近付きたいと舌を差し込めば最後。奥まで自分のモノにしたくて夢中で舌を絡めとる。
その時のほの花が一生懸命応えてくれる様子がたまらなく唆られる。
(…でも、こうなるとヤりたくなっちまうんだよなお…。)
敢えて口づけをせずに口淫してもらおうと思っていた浅はかな自分の考えに若干申し訳ない。自分から口づけして欲しいって言ってくれたことは嬉しいに変わりないのだが、言わせたのは自分の浅はかな考えのせいだ。
口淫だけさせて口づけもしないなんて、そんな性欲処理のためだけの女のような扱いをしようとしていた自分に腹が立つ。
妊娠してるかもしれないから大事にしたいと思う反面、あまりにほの花が可愛すぎてぶち込まないように己を制するためにはこんなやり方しかなかったのか?
全く…時間を戻せるならやり直したい。
既に勃ち上がっている己の屹立に「今日はぶち込めないからな」と心の中で何度も反芻すると、意を決してほの花の腰から尻にかけてを弄り出す。
柔らかなその肢体は痩せてしまった頃に比べてふわふわで触っていても気持ちいい。
「抱き心地」を確認された時は驚いたが、どんなほの花でもいいのは構わないのだが、確かに今のほの花は抱き心地はいい。
骨張ったところはなく、丸みを帯びた女性らしい体つき。
腰から脇腹を通り夜着越しに触れる乳房は弾力があって自分の手の平には収まらないほど。
それをむにむにと揉みしだけば眉間に皺を寄せて快感に悶え苦しむほの花が目に入る。
「んっ、ふ、ぅ…っ!」
これ以上デカくなられたらもっと厭らしい身体になっちまうからあまり触りたくないとすら思ってしまうが、この顔が見たくてつい刺激してしまう。
そろそろ生で触りたいと思い始めた時、ほの花がトントンと胸を押して唇を離したかと思うと、とんでもないことを言われても俺は度肝を抜かれることになった。
「…て、天元、直接…さわって?」
「…は、…な、…っ!?」
そんなことを愛してる女に言われても悶絶しない男はいない筈だ。
少なくとも俺は完全にヤられた。