第23章 早とちりも程々に※

「お前は俺の女だろ？」


「？うん。そうだよ。」


「俺はお前の何？」


「え？恋人…？」


「おい、何でそこちょっと疑問系なんだよ。」



そうは言われてもそんなこと急に言われたら違う言い方があるのかと思ってしまっただけ。
宇髄さんは紛れもなく恋人の筈だ。


「…お前は俺の女っつー自信はあっても、俺がお前の恋人だっつー自信はねぇんだろ。」


「えー？どういうこと？」



宇髄さんの言ってることはよくわからない。
何故そんなことを急に言うのだろうか。


「ほの花が俺の女なのは当たり前だけどよ、俺がお前の恋人っつーことも当たり前なんだわ！阿呆が。そんなちっぽけなことで悩んで諦めんな。お前ならいつ俺に口付けたって、抱きついたって、甘えたって、我儘言ってもいいの！！分かったか？！馬鹿ほの花が。」


「あ、え、は、はい！！分かった…！なんか、ごめんね。」


「謝んなっつーの。遠慮もすんな。俺はお前の恋人なんだから俺とお前は平等なの。わかったかよ？まぁ、ほの花は馬鹿だからわからんか。」


「なっ！わ、わかったって！」


辛辣な物言いでもそこには溢れる愛があって、宇髄さんの目は優しいけど、少し呆れてる。
要するに口付けしてって言うのも良いけど、勝手にしても良いってこと？だよね？

そこまで分かれば宇髄さんをもう一度見上げて少しだけくっついてみる。


「…天元、もう一回して？」


「ん、ほの花、愛してる。」


「私も…っ、ん。」


今度の口づけは性急に舌がにゅるりと入り込んできて私のそれを誘い出し、絡まされる。

触れるだけの口づけでさえ気持ちいいと感じているのに、こんなに深い口づけをされてしまうと私の体も疼いてしまう。


ぐちゅぐちゅ──
と唾液が絡み合う音が耳に入るだけで今度は下半身に湿り気が帯びてくる。
早く触ってほしいと思ってしまうのは宇髄さん仕様の体に既になってしまってるからだ。
彼の舌、指、屹立、匂い、全てが私を狂わせる。


そしてあっという間に彼の領域に堕ちていく。

彼の思う通りに感じ、思う通りに濡れてしまう私はもう彼以外とこんなことは一生できないだろう。


口づけを受け止めながらも私は彼の首に腕を回して更に近づけば、大好きな匂いに包まれていった。