第22章 今の上官は風柱様です!※
【おまけ】
朝一番での鬼ごっこを終えて、疲れ切って朝餉を食べていると急に隣で宇髄さんが思い出したように話しかけてきた。
「あ、そういや、薬ありがとな。ほの花。」
「え?」
「俺が風邪ひいた次の日持ってきてくれたろ。そこの縁側に。」
「…し、知らないなぁ…。気のせいじゃない?」
「……お前、本気で俺が分からないと思ったのか?馬鹿だな。匂いでわかんだよ。」
やっぱりあの時聞いた幻聴は宇髄さんだったのか。彼を出し抜こうとしたわけではないし、あの時は気付かれたとしても一瞬で帰ろうと思って準備していたからよかったけど、本気を出した彼に鬼ごっこで捕まらない術はない。
「…風邪大丈夫だった?」
「おう!半日で治った。」
「…ばけもの…。」
「喧嘩売ってんのか、お前。」
心配で仕方なくて薬を届けに行ったが、それが取り越し苦労で、不死川さんの言っていたことが冗談じゃなかったことが分かり、私は遠い目をしてしまった。
「…次、風邪ひいたら看病するからね。半日…。」
「お、ほの花が看病してくれんなら一緒に二日くらい布団で寝ような?」
「……私のが移るじゃん。」
「それなら風邪っぴき同士派手に汗かいてヤれるから良いじゃねぇか!」
「馬鹿なの?!?!?!」
思わず、直接的な苦言を呈してしまったが、キョトンとしている宇髄さんに私は頭を抱えるしかなかった。
結論 宇髄さんが風邪をひいたら看病せずに薬だけ置く。
((((((………どっちもどっちだと思う。))))))