第22章 今の上官は風柱様です!※
独特の緊張感があった。
ほの花のことは生娘だった頃から大切に大切にしてきたつもりだ。
処女を頂戴してからほの花しか興味もなくなり、飽きずに彼女だけを抱き続けてきたが、途切れたことはない。
長期任務で家を離れることはあったが、その時でも心は繋がっていたと思うし、一度関係も全てなくなってしまい、再び彼女を抱けることに少なからず緊張をしている。
口づけをすれば応えてくれるが、彼女もまた初めて抱いた時のように緊張しているのか体が硬く舌の動きも辿々しい。
そんなほの花も可愛いのは間違いないのだが、コイツの口から"鬼に体を弄られた"事実を聞いてしまって、激しい怒りに見舞われている。
どこに触れた…?
まさか口付けたのか?
そういや首から胸元にかけて跡が残っていたな。
ふざけやがって…俺の女に触れた罪は重い。
しかしながら自分がその鬼は秒で斬り捨ててやったのを思い出すと、眉を顰める。
もっとじっくり痛ぶってやらばよかった。舐るように恐怖を味わって地獄に堕ちればよかったのだ。
唇を離すと、今度はゆっくり首筋に舌を這わせてみる。
「…どこを触られた?此処は舐められたか。」
しっかり所有印を残されていたのは記憶に新しいのだから触れられたのは間違いない。
悲しそうな顔をしてコクンと頷くほの花を安心させるように頭を撫でながら首筋を舐め上げる。
「っ、んッ…、」
「なぁ、ほの花…今日は痕つけていいだろ?お前は俺のだって刻みつけてェ。」
「…うん。だ、だいじょ、ぶ…。」
ほの花の返事を聞くや否や白くて細い首筋に勢いよく吸い付いた。
甘い匂いが首筋からふわりと香ると余計に性欲に火をつけられる。
「…怖かったろ?俺が全部忘れさせてやっから。」
「…う、ん…。宇髄さん…すき。」
「俺も。」
彼女が受け入れてくれるならば…と、此処ぞとばかりに俺は首筋から胸元までを何度も舐めあげて白い肌に誘われるように唇を這わせると何度も何度も吸い付き、甘噛みをした。
(…ここは俺の縄張りだっつーの。)
それはまるで野生動物のように自分の本能に素直な行動だった。