第22章 今の上官は風柱様です!※
宇髄さんは最後までちゃんと聞いてくれると私の手を引き寄せて抱きしめてくれた。
「…ありがとな。話してくれてよ。」
「…うん。あの、あと…不死川さんに先に伝えてしまったのは、彼から稀血のことを教えてもらった時に自分もそうなのかな…!って聞きたくなったからで、…!深い意味はない、からね。」
「わぁーってるって。気にしてねぇよ。」
あれから不死川さんとの関係は良好のようで、特に二人の仲が悪くなったと言う話は聞いてないが、自分のせいで柱同士協力しにくくなるようなら困る。
出来るだけいざこざは無いに越したことはないのだから。
すると、宇髄さんは私の体を離すと肩を掴み、目を合わせて真剣な顔で話し出した。
「…でも、そのことは他言すんな。治癒能力の件も稀血の件もできるだけ知らないに越したことはねぇ。狙われる可能性もあるからな。いいな?」
「うん。分かってる。不死川さんにも言われた。彼も言わないと思う。あと…不死川さんには治癒能力の件は…言ってないから。」
「…そうか。まぁ、不死川は信用して良い。大丈夫だ。」
宇髄さんの顔は此処にはいない風柱である彼への信頼感で溢れていた。それを見てすごく安心した。やはり柱同士の信頼関係は少しのことで崩れることなどないのだろう。
「はぁ……、宇髄さんにやっと言えてホッとした…。」
本音がこぼれ落ちる。
彼への想いも相談したい気持ちも人一倍あったのに、関係の距離感によってどうしても言えなかったこと。
そんな私の頬を指でゆっくりと撫でてくれると首の後ろを持ち、引き寄せられる。
彼の腕の中に収まるとすぐに口づけが降ってきた。
唇と唇が触れ合い、お互いの存在を確認し合うような口づけを
一度
二度
三度
角度を変えて何度となくされると、いつの間にか熱い舌がにゅるりと入ってきた。
狙った獲物は逃さないとでもいうように簡単に自分のそれを捕まえると自分の口内に誘われ、ぐちゅりと音を立てて絡んでいく。
「…ん、っ…ま、まって…うず、いさ…」
制止の言葉を伝えても、どんどんと腰を引き寄せられるだけで止まってくれる気配はない。
口蓋をペロリと舐め上げられると、体がビクンと跳ねてしまう。
口づけがこんなに幸福だと感じるのはあんなことをされたからだ。
比べることすら失礼だが、彼との行為は幸せでしかない。