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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第22章 今の上官は風柱様です!※





縁側に置かれた包みはそこまで大きくもなく、控えめな風呂敷はほの花らしさを感じる。

その包みを自分の部屋に持ち帰り、月明かりが差し込む中開けてみた。



そこには薬が大量に入っていて、種類ごとに何の薬なのか、用途まで丁寧に記されている。間違いなくほの花の美しい筆跡でやはり持ってきてくれたのが彼女で間違いないことに胸が高鳴る。


不死川に風邪ひいたと言ったからだろうか。
風邪薬までしっかり入っていて、たまたま須磨が切れていたと言っていた傷薬も入っている。

暫く薬に困ることはないだろう。
直接渡すのは申し訳ないと思ってこんな方法を選んだのかもしれないが、会って話したかった。

せめて…顔を見たかった。
できれば…謝って抱きしめたかった。


しかし、これがほの花の答えなのだろうか。縁を切る前に最後に手切金かのように薬を置いていったのか?
それとも心配してくれて来てくれたのか?会いにくいからこれだけ置いてくれたのか?

出来れば後者がいい。



薬の匂いもする中、先ほどの嗅いだほの花の匂いが体を勝手に火照らせていく。
舌打ちをしたところで滾ることを止めてくれない己の体。


熱が溜まる先は当然、己の肉棒。
ほの花の匂いだけで押し倒したくなるのはいつものことなのだが、こんな状況で彼女は此処にいないと言うのに勝手に性欲が湧き起こってしまうことに後ろめたさが半端無い。


一日中寝ていて有り余る体力の上、丸二日間ほの花とシていないし、これからも続くかもしれない絶望感の中、俺の体は彼女を追い求めて天高く滾っていく。


「…あー、くそ。治まれっつーの…。」


漏れ出た言葉も静かな部屋に吸い込まれて空を切る。
開け放たれていた包みを仕舞うと台の上にそれを置き、押し入れから仕舞い込んでいたほの花の夜着を取り出した。


それはいつぞやに交換したお互いの夜着。
彼女から俺のが欲しいと言われた時、あまりに嬉しくて浮き足だった。

あんな日々を取り戻したい。



でも、今だけは…



お前の匂いで酔わせてくれ。


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