第22章 今の上官は風柱様です!※
ちっとも起きてこない俺のことを漸く見に来た三人に発熱したことがバレた。
粥と消化に良い食べ物を持ってきてくれたが、体調不良だと言うのに容赦ない元嫁達にまた頭痛がして来そうだ。
「天元様が熱出すなんてこの世の終わりですよ。」
「うるっせぇな。黙っとけ。まきを!」
「こんな時に愛しの愛しのほの花さんの看病を受けられないなんて可哀想…っ、ぷふ…っ!」
「須磨…お前、おちょくってんのか…?」
「自業自得です。どうせほの花さんを傷付けて帰って来にくくさせたに決まってます。」
「……見てたのかってくらい断言するな。雛鶴。」
辛辣すぎる三人の物言いに自分は病人なのに…と恨めしく見たところでその内容に目も当てられない。
「分かりますよ。天元様と何年の付き合いだと思ってるんですか?初めて此処までお好きになられた女性がいなかったので自分の感情に振り回される天元様はとても興味深いですが、私はほの花さんが大好きなので傷付けたのであれば許せません。」
「そうだそうだ」と言わんばかりに頷く三人の目も見れずに粥を掻き込むと風邪薬を飲む。
雛鶴がほの花に以前もらってあったものでこれまた苦味が強烈だ。
「ちゃんとほの花さんに謝って早く帰って来てもらって下さいよ。一緒にお風呂入るの楽しみにしてたのにぃ…。今日は私だったんですよ?!天元様のせいで折角当番制にしたのに意味ないじゃないですか!」
そもそもほの花と風呂に入るために当番制にした意味が分からない。
そう言われればコイツらよくほの花と風呂入ってたわ…と今更ながら気付いたが、どうすることもできない。
「…そうは言ってもよ、俺にはどうしようもできねぇって…。」
「何でどうしようもできないんですかぁあっ!!!早く迎えに行って来てくださあああい!」
どんな無茶振りだ。
体調不良だっつーのに迎えに行ってこいと言う須磨に顔を引き攣らせることしかできない。そもそも何処にいるのかも…わかんねぇんだ。
そんなこと初めてのこと。
ほの花の居場所も分からねぇなんて。