第21章 桜舞う、君との約束※
宇髄さんが部屋に連れて行ってくれて襖を閉めるのを確認すると自ら彼の唇に口付けた。
どれだけ浅ましい女なのだろう。
隠し事してると宣言した上に、勝手なことしてるのにツラくて忘れたいから抱いてくれだなんて。
何て自分勝手でみっともない女。
それでも彼に抱かれたくて
彼を感じたくて
私は夢中で彼の唇に縋り付く。
そんな私を拒否することもせずに、にゅるりと入ってきた舌は私を絡め取ってくれる。
「んっ、ふ…っ、はぁ…」
くちゅ、と唾液が絡み合うと耳に響く水音に体に鳥肌が立つ。
背中に柔らかい感触がして、布団に下ろされたことに気付くと、自分主導だった口付けはあっという間に彼主導のものになっていく。
「…ほの花、もっと舌出せ。」
「…んうっ、う、ん…。」
お互いの口内に入ってくるのではないのかと思うほどの深い口づけに簡単に下半身に湿り気を感じる。
口付けがこんなに気持ちいいなんてことあるのだろうか。
宇髄さんとしか経験がない私からすれば彼が人生最初で最後の人。
彼の口づけしか知らないけど、情交時でなくても口づけはするのにいつもふわふわと気持ちいい。
今みたいにじゅん…と濡れてしまうほどの快感の時もあれば、暖かく春の陽気のようなポカポカとした気分になる時もある。
今日は
深くて
深くて
このまま果ててしまいそうなほどの気持ちよさで腰が浮いてしまう。
「…何だよ、もう下触って欲しいのか?」
「…え?」
「腰浮かせてよ。触って欲しいんだろ?ぐちょぐちょに濡らしてるもんな…?」
そうだ、宇髄さんは耳が良いから私がもう下着を冷たくするほど濡らしていることなどわかっている。
途端に恥ずかしくてたまらなくなるが、今日の私は自分が誘った手前、恥ずかしがることもできず彼と目を合わせて、頷いてみる。
「…ん、触って…宇髄さん…。」
そんなこと言われると思っていなかったのか宇髄さんの口づけが一瞬止まると驚いたように私を見下ろしている。
しかし、次の瞬間、太くて長い指が下着の上から秘所をぐちゅりと擦られた。
「ひっ、あああああっ…!!」
いきなりの強い刺激が気持ち良くて私は体を仰反らせて天国に連れて行かれた。