第17章 君色日和※
ほの花のことを死ぬほど愛してるのに、ちゃんと謝ってもいないのに始めてしまったこの行為による罪悪感で顔が見れない。
でも、勝手に動く体を止めることもしない。
拒絶しないほの花に救われているのは間違いなくて、俺の愛撫を受け入れると遠慮がちに善がる。
もっと声も聞きたいし、ほの花の乱れてる姿を見たいのに完全に謝る機会を失ったまま続けられる行為に体だけが反応するような状態で滑稽だ。
(…今、じゃねぇ、よな…。)
こんな行為の真っ最中に謝るなんて不誠実にも程がある。そんなことは分かっているのに体は熱く滾り、ほの花を求めている。
既に硬くいきり勃つ肉棒は自分の腹にまで突きそうなほど凶暴化していて、行為の中断などできやしない。
きっとお互いがそんな機会を窺っているような状況で、彷徨わせた視線が絡み合うとほの花の瞳が潤んだのが目に入った。
その瞬間、俺は夢中でほの花を掻き抱いて耳元で「ごめん。」と呟いていた。
小さな声で聞こえたかどうか分からないのに彼女は首を振り否定をすると「私の方こそごめんなさい」と謝ってくれる。
彼女にも俺にも話したいことは山ほどある。
それは顔を見ればわかる。
釈明をするにしろ
言い訳をするにしろ
面と向かって謝るにしろ
この行為を終わらせないことには既に自分達の昂った気持ちを消化できない。
「…愛してる、ほの花。」
だから謝る代わりに今は愛を囁く。
それでチャラになんて出来ないことは分かっている。
だとしても久しぶりに会った恋人同士が会えなかった時間を埋めるためにはこの行為が必要だった。
狂おしいほど愛して止まないほの花の肌に触れて、唇に口付けて、愛撫をすれば漏れ出る嬌声が頭を埋め尽くす。
「宇髄、さん…が、欲しいです。」
そんなほの花の甘い言葉に脳は完全に停止して、俺は秘所に指を這わせた。
「…離れてた分、取り戻すぞ。」
離れていたのは距離も気持ちも。
でも、ちゃんと心はつながっていた。
お互いを求め合うような口付けをしてしまえば心が離れていないことは明白だった。