第17章 君色日和※
唇が溶けてしまうのではないかと思うほど、長い口づけに酔いしれると今度は舌が首筋を舐め上げた。
「ひゃ、…んっ。」
ザラザラとした感覚が首筋に感じると背中がゾワッとする。お互いに何も身につけていない今の状態は、温泉に行った時以来かもしれない。
痛くないように加減してくれているが、自由にならない手首は彼が私を本能で欲してくれている時の現れ。
理性が残っている彼は決してそんなことはしないから。
でも、どちらの宇髄さんも私のことを求めてくれていると分かるから嫌だと思ったことはない。
いつもは隊服やら下着やらで脱がされる時間があると言うのに彼の肌に自分の勃ち上がった胸の頂が主張していて恥ずかしくなる。
そこが彼の手のひらにより優しく包まれると主張した頂が当たって、勝手に気持ち良くなってしまう自分が情けない。
必死に隠そうと試みるが、今度はじんわりと下半身が湿り気を帯びてきていて、太腿の間がくちゅ、と音がした気がした。
耳が良い彼のことだ、絶対に聞こえてる。
そう考えるともういっそのこと意識を飛ばしてしまいたい。
しかし、今日の宇髄さんは口づけこそ性急に感じたが、行為に関しては慈しむようにゆっくりとことを進めている。
それが焦ったくて私の方がどんどん溢れる蜜に頭がおかしくなりそうだった。
手のひらで揉みしだかれた胸をそのままに親指と人差し指で頂だけを摘み上げ、捏ねられるとその快感により声が漏れ出てしまう。
「…あ、っ…!ひ、…ん」
私の方がいつもみたいに理性を失いきっていなくて、まだ彼に施される愛撫を心から喜んで良いか分からないでいる。
それは先ほど発した言葉から宇髄さんが一言も発せずに私の体を弄っているからだ。
この行為がちゃんと彼が許してくれたから起こっていることなのか、ただ彼の理性が飛んだことにより怒ったことなのかを判断することができなかったから。
気持ちいいのは間違いないのに、理性をも手放して快感に身を委ねることができずにいる。
今聞くのも野暮なのかもしれない。
心と体が反比例するようで気持ち悪い。