第17章 君色日和※
体を温めてやったら、今度は風呂に入れて…
ちゃんと飯を食っていたのだろうか。
少しだけ軽くなっている気がしたので、気に病ませたせいで食欲が落ちてしまっていたのかもしれないから飯を食わせて…
彼女にしてやらないと…と思うことを頭に思い浮かべることで必死に考えないようにしていた己の性欲。
柔らかな肌の感覚と…
やはりほの花の匂いが鼻腔に広がる感覚はたまらない。離れないともっとツラいのに無意識に引き寄せてしまう。
自分の首を絞める行動にはもう呆れるしかないが、まさかほの花にとどめを刺されるなんて思わなかった。
「……宇髄さん、大嫌いなんかじゃない、です。世界でいちばん、大好き、です。」
………マジかよ。何でそんなこと言うかな、コイツ。俺のこと怒ってたんじゃねぇのかよ。
傷ついてただろ。
俺のせいで。
ほの花は簡単に俺の心を天国にも地獄にも突き落とす。
それほどまでに溺れてしまった自分。
大嫌いって言葉が一番堪えた。まさに地獄のような瞬間だった。
それをほの花が今日再び天国へと引き上げてくれる。
感情の起伏が忙しくて己を抑えることがもうできないと悟った。
目の前には愛おしくてたまらないほの花がいて、お互い裸で、"世界で一番大好き"なんて言葉は今の俺にとってみれば理性を簡単に切ってくれる凶器のような言葉。
でも、欲しくて欲しくてたまらなかったほの花の愛を再び感じられて嬉しさに打ち震えると我慢していた性欲が勢いよく弾け飛んだ。
「あー、もう…!」
お前って奴は…俺のことをここまで振り回すことができる女はお前くらいだぜ。
ほの花の体を引き寄せて布団に押し付けると唇を押しつけて性急に口づけをした。
逃げられたくなくて手は布団に縫い付けたまま。
ずっとここにいればいい。
俺だってお前のことが世界で一番愛してる。