第14章 【VD特別SS】初めての愛をあなたに…※
はぁ、はぁ…とお互いの息だけが部屋に響く。
荒い息を整えると宇髄さんがフッと笑って口付けてくれた。
「さて、二回戦前にちょっとほの花の肌を堪能すっか。」
「え…。」
さっき言った言葉は本気だったのか…!と顔を引き攣らせるが、にこやかに笑う宇髄さんが隣に寝転んで私を抱き寄せた。
「お前が悪いんだぞ。クソ可愛いことばっかりするから。想い人に菓子渡すっつー行事に一生懸命になってるとこも。出来なくて泣いちまうとこも。全部可愛くてたまんねぇっつーの。」
「だって…あげたかったんだもん…。」
「お前さ、情事の時しか俺のこと好きって態度出してこねぇじゃん。」
「ええ?!そ、そんなことない…!私、宇髄さんが大好きです…!」
好きって態度に出していなかっただろうか。
宇髄さんみたいにいつでもどこでも抱きついたりはしていないけど、好きだと顔に出ていたと思う。
「いや、俺のが好きだって出してるしな。でもよ、だから余計に嬉しかった。」
「…え?」
「ほの花が俺のことを想ってわざわざ作ってくれたのが死ぬほど嬉しかったの!」
少し照れながら顔を隠す宇髄さんはなんだか可愛い。
こんなに喜んでくれるなら今度は違うものでも作ろうかな。
「次はばれんたいん関係なしに何か作りますね。」
「……。さて、そろそろ二回戦と行くか。」
「も、もう?!え、何でですか?もう少し休憩…!」
「おねだりを忘れられたからな。しっかりとお仕置きは受けねぇとなぁ?ほの花。」
あ…。敬語…か。
天を仰ぎ絶望していると再び私を布団に押し付けて覆いかぶさってくる宇髄さん。
目に入ってしまった屹立がそれは派手に復活を遂げていたので、やはり私は絶望するしかない。
彼との情交は好きなのだが、彼の体力と精力には敵わないため、いつも先に根を上げるのは私だ。
今日もきっとそうだ。
濃厚な口づけが始まるとそれが二回戦の合図。
私は宣言通り朝まで抱かれ続けて、起きたら陽が高く昇っていたのだった。
しかし、隣には愛おしい彼もいてこんな日もたまにはいいな、と想ったのは私だけの秘密。