第14章 【VD特別SS】初めての愛をあなたに…※
──くちゅ、ちゅ
唾液が絡み合う音が耳に響いて変な気分になる。
初めて口づけをした時は目を瞑る作法も知らなくて"目を閉じろ"と言われてしまった。
まだ慣れているわけではないが、宇髄さんの舌に呼応するように絡ませることはできるようになった。
でも、激しい舌の動きについていけずに唾液が唇の端から垂れていく。それさえも舐めとられると宇髄さんと目が合った。
「なぁ…、俺の部屋来いよ。このまま抱きてェけど、お前の部屋布団敷いてねぇもん。」
「あ、…は、はい。」
私の返事を聞くや否や抱き上げたまま立ち上がると再び唇が降ってきた。
触れるだけの口付けをしながら"ストン"という襖が開く音がした。
「器用だなぁ…」とぼんやり思っていると、目を開くとそこはもう宇髄さんの部屋。
足を踏み入れた瞬間にまたも性急に舌が差し入れられると奥に仕舞い込んでいた私の舌を絡みとり吸い取られた。
「んふ、ッん、ん、…!」
漏れ出るそれは声にならない。
吸い込もうとした息なのか、吐こうとした息なのかわからないそれが行き場を失い、出ていくよう。
くちゅ、という唾液が絡まる音が再び耳に響くとそれだけでじゅん…と秘所が熱く感じた。
いつも宇髄さんに深く口付けられてしまえばこうやってはしたないくらいに濡れてしまう。
今日は特に私も宇髄さんが欲しくてたまらない。
三日会えなかっただけなのに愛おしくて彼の温もりを感じたいし、"ばれんたいん"を渡せたことでその想いは倍増していると言っていい。
「…ほの花、すげぇ、好き…。」
熱っぽい表情で宇髄さんが微笑むと背中に布団の感触がした。
いつも抱かれる此処は最近では自分の布団よりも安息の地とも言える。
布団に下ろされたことで宇髄さんは隊服を脱がし始めた。
「なぁ…。全部脱がして見ていい?全部見てぇ。全部欲しい。」
首筋をレロッと舐められるとゾワゾワという感覚が広がり、恥ずかしいはずなのにコクンと頷く自分。
絶対恥ずかしいはずなのに宇髄さんが自分を求めてくれている姿が餓えた動物のようで本能を感じた。
そんな本能剥き出しの宇髄さんがたまらなく色っぽかったから。