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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第13章 オンナノコの初任務




考えても答えは出ない。
彼女とてこの能力の取扱説明書を持ち合わせているわけではないのだから、此処では机上の空論だ。


「今回ばかりは雨に降られて酷い風邪をひいたということにしておけばいいかもしれませんが、次こう言うことがあれば間違いなく何かの病気を疑うでしょうし、私に詰め寄ってくるはずです。」

「何かすみません…。」

「あなたのことに関しては異常に固執していますので当然です。どうせ検査しろとか言ってくると思うのでその際はほの花さんも協力して下さいね…。」


宇髄さんのほの花さんに対する溺愛ぶりは凄まじい。彼女も彼女でそんな宇髄さんを受け入れている感じもするし、この二人は簡単に言えば物凄くお似合いということになる。


(…周りは振り回されるんですけどね…。)




そして


一体いつまで続くのやら…と思っていた高熱は翌日の昼に突然下がった。
あれほど効かなかった解熱剤が効いたとは思えない。
やはり彼女の言っていた仮説の通り、体に溜まっていた膿が全て排出されたことで熱が下がったと考えていいのかもしれない。


ただ、高熱が出ていたことには変わりないので暫くは無理をすることは禁物だ。
本人も下がった熱には喜んでいたが、突然下がったことでまだふわふわと足元が覚束ない様子。
屋敷に帰れば宇髄さんが甲斐甲斐しく看病するだろうし、彼がいなくても同居人があと六人もいるならば誰かしら介助してくれるはずだ。


「熱が下がったので宇髄さんにお迎えの連絡をしますか?完全に治るまで暫く此処にいてもらっても構いませんが。」

「あ、えと…か、帰ってもいいですか?」


そうやって頬を染めるほの花さんにこちらも自然と目尻が下がってしまった。
こんなあからさまに"宇髄さんに会いたい"と顔に書いてある分かりやすい恋人が近くにいれば、骨抜きになるのも仕方ないのかもしれない。

だからと言ってあの独占欲剥き出しの彼の横暴ぶりは頂けないが。


「分かりました。お家に帰っても暫くはゆっくりしてくださいね。」

「はい!ありがとうございました!」


その後、いつぞやと同じ伝令に行った鎹鴉"艶"よりも速く到着した宇髄さんに連れられて彼女は帰って行った。


(…この案件は…骨が折れそうですね。)



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