第13章 オンナノコの初任務
「南南東ーッ!南南東ーッ!ほの花!初任務ーーッッ!南南東ーッ!」
「え?!任務!」(嬉&困)
「は?!任務?!」(無理無理無理無理心配心配心配心配心配)
一週間の暇も終えて帰ってくるとすぐに産屋敷様のお薬の調合をしに行き、渡したかった滋養強壮の効果がある薬膳茶をお出しすることができた。
しかし、どうやら一週間で風邪をひいてしまわれた産屋敷様は発熱していておつらそうだったので、ついついまたあの能力を使ってしまった。
それも今回は熱が取れるまでひたすら背中を撫で続けた結果…
私の体がしんどい。
微熱と怠さ程度だがいつもより確実に体調が悪い。
そんな中で初任務の指令が来て嬉しさ半分困惑半分だ。
今から別の警護に行く予定で準備していた宇髄さんが部屋に来ていたのでそれをたまたま一緒に聞いたがために恐ろしい空気を醸し出してくる。
「こんな日に限って警護に行かねぇといけないなんて、ツイてねェ…!!」
「あの…警護がなかったとしても継子の初任務に柱が出てきてどうするんですか。」
「あーー…、行くの待ってろよ。とも言えねぇし、すぐに警護終わらせてくるからな!」
何を言っているのだろうか。
鬼が出る時間帯は一緒なのだから警護も同じ時間帯だろう。
警護終わらせてきてもこちらも任務が終わっている頃ではないか…?
「大丈夫ですよ!初任務頑張りますね!」
「あーあー…死ぬほど心配なんだけど…。大丈夫か?怪我して帰ってくんなよ?あー、クソ心配…。」
「えー…私、そんなに頼りないですか?ちょっと落ち込みますけど…。」
あんなに毎日毎日鍛錬をしてくれていたのにこんなに心配だと言われてしまうと私の今までの修行は何だったのかと思わざるを得ない。
「ちげぇって…。そうじゃなくて柱としてでもなく、師匠としてでもなく、お前の恋人として心配なの!当たり前だろ!自分の女が鬼狩り行くとか不安しかねぇよ。」
「警護、ハヤクイケー!時間迫ッテルーー!」
「だぁーー!うるせぇ!虹丸!クソーっ!行ってくるからマジで気をつけろよ?分かったな?」
虹丸くんにお尻を叩かれてやっと出ていった宇髄さんを見送ると私も準備を始めた。
初任務のドキドキ感と体調が万全でない不安が頭の中を埋め尽くしている。
(…大丈夫。しっかりしろ、ほの花。)