第11章 ヨリミチトキミノミチ※
「ほの花〜?大丈夫か?」
「…な、なんとか生きてます…。でも、体が鉛です…。」
「ん。起こしてやっから掴まれ。」
宇髄さんに抱き起こされると、洗い場に向かいそこで椅子に降ろされた。
すると手拭いを濯ぐと、石鹸を泡立て始めるのでそれをじーっと見つめる。
(…嫌な予感しかしない…)
「じゃ、俺が体洗ってやるからな!」
「んなぁーー!洗えます!自分で洗います!」
彼の行動にはいつも驚かされる。
体を洗われるなんて先ほどの行為より恥ずかしい。情交はお互いそういう雰囲気になってるからいつもより恥ずかしいこともその空気に飲まれてしまう。
しかし、今は情交終わりでただでさえ気恥ずかしいというのに素面で体を洗われるなんて…。
「何でよ。俺に洗わせろよ。何もしねぇから。」
「いや、当たり前ですーー!何もしないって…、何かしたら宇髄さんの体力疑います…!」
「はぁ?何言ってんだよ。布団であと一回はスるからな。」
「む り で す !!!」
いや、この人何言ってるの?柱の体力舐めてるとかそういう問題じゃない。
これは絶対宇髄さんの精力の問題だ。
「何で無理なんだよ!落ち着いたところで一発はヤリたいだろ?!」
「私、布団入ったらすぐ寝ちゃう自信あります。」
「心配すんな!起こしてやるから!」
「む り で す !!!」
とても今し方二回も精を出した人とは思えない言い方だ。
「仕方ねぇな…、此処でヤリてぇの?」
「違いますーーー!!どうしてそうなるんです?!」
「はぁ?そりゃ限界までお前を抱きたいって思うだろ?せっかく誰にも邪魔されないんだから。」
家でだっていつも邪魔させずに抱くではないか…。どの口がその発言を言うのだ。
あまりの絶倫ぶりを露呈してくる宇髄さんに開いた口が塞がらない。
しかしながら、"一発やらないなら体洗わせろ"の一点張りでその二択であれば洗体を選択せざるを得なかった私は仕方なく宇髄さんのなされるがまま体を託すことにした。