第11章 ヨリミチトキミノミチ※
ほの花の体を引き寄せると自分の腕の中に収めてやる。
いつもは髪はおろしていて俺がやった花飾りをつけているが、いまは髪を結っているのでうなじがしっかりと見える。
好いてる女のうなじなんて見ちまえば唇を這わせたくなるのは仕方ない。吸い寄せられるように唇を押し付けるとビクンと体が跳ねるほの花がこちらを向いた。
「ッ、う、宇髄、さん…?」
「んー?何だよ?体は見ないようにしてるだろ?」
「そ、そうですけど…。」
また心臓が煩くなった。
全く分かりやすい女だ。分かりにくい女よりよっぽどいいが、そんな火照った顔をしてるほの花はいつもよりももっと色っぽく見える。
そんな風に見えてしまえば勝手に下半身に熱が溜まるのも男としては仕方のないこと。
「あー…、やべ。勃っちまった。」
「えええ?!」
「どうしたらいい?」
「どうしたらって…。」
おーおー、困ってる困ってる。
チラチラとこちらを見ながら必死に今の状況を整理しようとしているのだろう。
意地の悪い俺は"手伝ってやろう"と己のいきり勃った屹立をほの花の腰に押し付けてやる。
「…なぁ、ほの花。このままだと結構ツラいんだけど…。」
ツラいっちゃぁツラいが、我慢しろと言われたら我慢できないこともない。
その代わり布団で死ぬほど抱いてやるが。
今回の目的はほの花と温泉に一緒に入りたいということ。目的は達成しているのでこれ以上この場で望んでいるわけではないが、一生懸命考えているほの花が可愛くて後ろからニヤニヤしながら眺めてしまう。
さぁて、どうする?
するとほの花が艶っぽい顔でこちらを見たかと思うといきなり口づけをしてきた。
コイツからしてくるなんてあまりないので驚いたがそのまま受け入れる。
「…わ、私にできることなら何でもするので教えてください…!」
「…何でも?」
「は、はい!できるなら…!」
そんな可愛いことを言ってくれるものだから此処でどうこうするつもりなどなかったのについ俺の悪戯心が刺激されてほの花にオネダリをしたくなってしまった。