第51章 【番外編】そこにあるのは無限の愛※
それにしても天元の腕はまだ機能回復訓練の段階だと言うのにしっかりと私を抱え上げるだけの力があるのは驚きだ。
私がお風呂で抱かれたいなんて言ってしまったがため、こんな体勢を余儀なくされているのは分かっているけど、それも後悔している一因だ。
天元の大きなその屹立は受け入れるだけでも精一杯なのはいつものことだが、布団でやる情交と違い、私の体重が直に屹立に打ち付けられる。
最奥に到達する度に行き止まりに腹を立てるが如く、闘牛のように突き上げられる。
気持ちいいところも同時に打ち付けられるので私自身は快楽のが強いのだが、下腹部全体が天元で満たされているかのような感覚にも陥っていた。
ガチガチに硬く滾った屹立は蜜路を往復するだけで体を震わせるほどの気持ちよさ。
私の体を抱えながらの情交なのに舌を胸の頂に這わせると甘噛みされた。
「っ、あああっ!!」
そのまま口内で舌で弄ばれると快楽に快楽が上乗せされて背中がまたゾクゾクしてきた。
ぐちゅぐちゅと音を立てながらされる律動は厭らしくて気分が昂っていくし、何度達しても終わりが見えないことになす術もない。
ただただ快感に身を委ねていると、奥からブワッと何かが溢れてくる感覚に襲われた。
「あ、…っ、て、てんげん…、だめ…!で、ちゃう…!!」
「おー、いいぜ。此処は風呂だから気にすんなよ。」
気にするところだろう。
何故なら私たちはよく考えたら一番風呂ではないか。
私も私だ。
たまっていた性欲が我慢できなかったのだから。
誘ったのは私。
責任は私にあるけど、今止めてくれればそれは食い止められる。
「っ、おねが…、と、とめて…。」
「…むーりーって、言ってんだろ…?」
「だ、ってぇええ…!!や、ぁああっ、だめ、おねが…」
そうこう言っている内にも彼の律動は止むことはない。
私の迫り来るその感覚も止まってくれない。
絶対的な快楽と同時に来たそれにどうすることもできずに身を任せてしまった。
──ぴちゃ、ぴちゃ…
「っ、やぁっ、ぁあああっ…!ひ、ぅっ…!」
湯船に落ちていく水滴の音に恥ずかしくなって天元の肩ではなく首に縋り付く。
逞ましい体は難なく私を受け止めてくれるけど、彼は決して止めてはくれなかった。