第51章 【番外編】そこにあるのは無限の愛※
──ズンッ
引きちぎられるかと思うほどの締め付けに耐えて無言で押し進めれば何とか最奥に到達したようだった。
先端が行き止まりだと知らせてくれると漸くホッとした。そこまで耐えられた自分を褒めてやりたいくらいだ。
涙目なのに上気した肌が妙に加虐欲を駆り立てる今のほの花。
正直目の毒だ。
深呼吸を繰り返して何とか自分を諌めているが、めちゃくちゃに突き上げてしまいたい欲を何とか抑えている。
「…ほの花、大丈夫、か?」
「あ、っ、う、ん…、だい、じょぶ…。」
「動いちまってもいいか?」
「っ、は、はい。」
しかし、きっとまだ快感やら痛みやらでちゃんとこの状況を飲み込めていないのだろう。
目を泳がせて必死に頷いたほの花が再び俺の肩に掴まる。
「…そこ、掴まってればいいから。」
「ごめん、ね。痛くない?爪、立てちゃった…」
「いや良い。むしろそう言うのもすげぇ興奮するからよ。もっとしろよ。お前の痛みを俺にも分けろ。」
確かに俺の肉棒も噛みつかれて白濁を出すまいと必死な形相だろう。
だが、痛みこそ伴えど、ほの花の感じているそれに比べたら雲泥の差だ。
コイツの夫となる身としてはそれくらいの痛みなど受け入れてやる。
ほの花は俺の腕を治すために生死を彷徨ったのだ。
俺もお前のためならば、こんな痛みなど大したことない。
お前が受けてくれた痛みや苦しみを今度は俺が受けてやるから。
ゆっくりとほの花の腰を持つと、再び最奥へと突き上げる。
跳ねる体を支えているけど、一度打ち付ければその気持ちよさに我慢など出来やしない。
ほの花の指が俺の肩に食い込んでいく。それがコイツの痛みを物語っている。
「ああっ!や、ぁっ!は、ぁっあああっ!」
「ごめん、な?痛えだろ…?ごめん。」
「だ、いじょ、ぶ、ああっ!」
大丈夫なんてただの定型文なのは分かってる。
コイツはそうやっていつもいつも我慢してきたのだから。
俺にはもう分かってる。
どれほどコイツが我慢してきたか。
もう我慢しなくて良い。
俺はお前の痛みごとお前を愛するから。
今も過去も、これからも。