第51章 【番外編】そこにあるのは無限の愛※
柔らかな肢体の感覚が俺の体にくっついて蓋をしていた感情が一気に膨れ上がった。
性欲だ。
どれだけ俺が我慢していたか知っているのか?
どれだけ俺がお前を目の前に必死に己を制していたか。
愛してやまないほの花を傷つけたくない。体調が悪いほの花に手を出さないように必死に蓋をしていたと言うのに。
それでも我慢できたのは心配が上回ったからだ。
熱で浮かされた表情も情欲のものではない病的なもの。
少しでも体を動かせばフラついて俺に掴まってしまうし、朝は更にぼーっとしていて話しかけてもぼんやりしていた。
心臓が止まってしまったところをこの目で見てしまった俺は再びそんなことにならないかと気が気でなかった。
それならばもう抱かずとも良いとすら思っていた。
ほの花がそばに居てくれたらそれで良かった。
それなのに此処は風呂場。
熱っぽい顔で見上げられたかと思うと、抱きついて口づけをされた。
挙げ句の果てに俺の肉棒を扱き始めたほの花に俺の中で蓋をしていた感情が溢れ出すのは仕方がないことだろ?
白い肌が上気して桃色に変化したほの花を視界に入れると俺の理性はぷつんと切れた。
ほの花から絡ませていた舌だったが、彼女の口内に己のを捩じ込むと今度は自ら絡ませてやった。
先ほどまであれだけ積極的だったと言うのに、俺の舌が入り込むと途端に彷徨う舌。
それを己の口内に引き摺り込むと深く絡ませた。
肉棒は瞬く間にはち切れんばかりに膨れ上がり、凶暴化したことでほの花の手も困惑して止まってしまっている。
「…何だよ、扱いてくれねぇの?」
少し唇を離して、そう言ってみれば慌てて手を動かし始めるほの花。
だが、此処は風呂場だ。
こんなところで抱いてしまったらまた体調がぶり返すのではないか。
ほんの少しそんなことが頭をよぎったが、熱っぽい視線のほの花を見てしまうともう止まらなかった。
そうか。
そうだよな。
お前だって
俺と一緒だよな。
俺たちは愛し合っている仲なのだ。
漸く恋仲に戻り、再び添い遂げる約束をしたのだ。
彼女の気持ちは俺と一緒のはずだ。
ほの花を抱きたい。