第51章 【番外編】そこにあるのは無限の愛※

「…あの、天元…。」


「ん？どうした？」



キョトンと首を傾げる天元を見上げると、出会った時と変わらない美丈夫な顔がそこにある。
左目は失ってしまったけど、片方の目でも十分。


その大切な瞳に映る自分は不安げに揺れている。
でも、一歩踏み出さなければいけない。


私は後ろを振り向くと、彼の首に抱きついた。
お互いの濡れた体がペタリとくっつき、体温が伝わる。



「っ？！ほの花…？！お、おいおい。どうした？」


驚いて狼狽えている天元を尻目に私の衝動は止まらない。


以前のように天元に求められたい。
以前のように天元に愛されたい。


少し体を離すと彼の唇に己のを押し当てた。
上手になんてできない。
天元みたいに蕩けるような甘い口づけはできないけど、ただただ想いを伝えたい。


「…っ、ほの花、お、おい…！」


いや。
むり。


もう止まらない。


私は天元の制止も振り切り、彼の屹立に手を伸ばした。


「…ほの花、待てって、！どうした…？」


どうもしてない。
ただ欲しいだけ。
愛して欲しいだけ。


天元を愛してる。欲しいだけ。



あまり触れることはない柔らかな屹立だけど、触れれば徐々に熱を帯びていくのが嬉しい。

熱を帯びれば帯びるほど
硬くなれば硬くなるほど


まだ私のことを求めてくれているのだと思わせられて嬉しくてたまらない。



自ら天元の口内に捩じ込んだ舌を彼のそれと絡ませる。上手に絡めることはできないけど、彼との濃厚な口づけはそれだけで子宮が疼いてくる。


もっとほしい。
天元ともっと愛し合いたい。



「…天元、抱いて…？」



少しだけ離した唇から漏れ出たのは私の本音。
恥ずかしいし、顔も熱い。
それでも止められない私は彼の屹立を扱き始めた。

肯定も否定も聞きたくなくて再び天元の唇を口づけたる。



しかし、舌をいれようと思った矢先、彼のそれが自分の口内に入ってきた。


「っ、んっ…！」


絡め合う舌が深くなると、天元と目が合った。
その瞳は先ほどまでの彼とは違う。


以前のようなギラギラとした熱っぽいもの。



私を求めてくれたあの瞳だった。