第49章 【番外編】色褪せない想い【現パロ】※
「なぁ、ほの花。」
お風呂に入って、一緒に朝ごはんを食べて、仕事の準備をしていると肩肘をついてこちらを見ていた天元が声をかけてきた。
「なーに?」
「一緒に住むから此処、解約しておけ。」
「……はい?」
鞄の中に忘れ物がないか確認しながら片手間で返事をしていたのに天元の言葉にその手は完全に止まることとなった。
「はい?…って。当たり前だろ。お前と結婚するのは決まってるし、すぐにでも一緒に住むぞ。とりあえずそれまでは毎日オレが此処に通うから。」
「へ?え、あ、え…?」
「近い内に指輪も買いに行くぞ。お前に似合うやつ買ってやる。」
「え、あ、ありがと…って、え?!」
さらっと日常会話の如く進められるその会話に相槌を打つことしかできないけど、その内容はかなり重要なことだ。
人生において結婚なんてそんな1日や2日で決められることではない。
でも、私たちは知っている。
お互いのことを。
良いところも悪いところも知り尽くしている関係性。
迷うことなんてあるだろうか?
答えは決まっている。
ただあまりにも日常会話なそれはロマンのかけらもない。
少しくらい意地悪してもバチは当たらないだろう。
「え〜…、じゃあ昔みたいに格好良くプロポーズしてくれたら…いいよ。ふふ。」
「……は?!今のオレがド派手に格好良くないみたいな言い方じゃねぇか…?」
「そんなことないよー?でも、プロポーズはロマンチックなやつがいいんだもん!」
ここは大正の世界ではない。
鬼もいない。
平和な世界。
変わっていく時代に
変わらない私たちの関係
再びこの世で生を受け、共に生きることを許されたのだ。
今世は前世でできなかったことをたくさんしよう。
そしていつまでもいつまでも彼と一緒にいたい。
「ったくよぉ、わぁーった、わぁーった!この元音柱の宇髄天元様がド派手にプロポーズしてやるから待ってろよ?ほの花」
あわよくば
来世も
その先もずっと一緒にいられますように。
「…うん!天元、大好き!!!」
これは
元音柱と元継子の輪廻転生のお話。
見つけた先にあるのは
いつだって貴方という陽だまり