第49章 【番外編】色褪せない想い【現パロ】※
──ほの花、お前のことを愛してる。
天元、あなたのことを愛してる。──
生まれ変わっても…一緒になりたい。
◆
それは自分のせい。
芸術のためだと美術室で打ち上げ花火をあげたらうっかり火傷をした。
仕方なく、病院に行って薬をもらいにきたのだが、昔から薬局というところが何故だか落ち着く。
消毒液みたいな匂いや薬を調合しているところを見るのが好きなのか、こうやって薬をもらいに来るのは何故かワクワクした。
ただ無駄に丈夫なオレが風邪などほとんど引きやしないし、なかなか来ることはないのが残念だと感じてしまうほど。
此処の薬局は学校にほど近く、自分の家からは遠いので初めて来た。
治ったらまた此処に来ることもなくなるのだが、やはりこの空気感が好きだ。
「宇髄さーん。宇髄天元さんー。」
「あ、はい。」
綺麗なソプラノの声で名前を呼ばれたと思ったら栗色の綺麗な髪を一つに束ねた薬剤師の人がこちらを向いている。
「………?」
白い肌に大きな黒い瞳が印象的。
目鼻立ちがくっきりしていて、ハーフなのだろうか?と思うほど綺麗な顔立ちをしている。
思わず息を呑むほどのその出立ちに固まってしまった。
「…??宇髄さんですか?」
席を立ったまま棒立ちしているオレにもう一度その薬剤師が声をかけてきたので狼狽えながらも向かった。
(…何だ?……何でこんな…。)
急に心臓を鷲掴みにされたように息苦しさを感じる。
近くまで来るとすらっと背が高くてまるでモデルなのかと思うほどスタイルも良いし、白衣を着ていてもコスプレなのでは?と思ってしまうほどだった。
「……宇髄、天元、さんですか?」
「…あ、そ、そうです。すいません。」
「今日は如何されましたか?」
「左腕に、火傷をして…」
「そうでしたか…!わぁ…痛そう…。お薬出ていますので塗ってくださいね。なるべく患部を清潔にしてから塗ってください。」
『どうぞ』と渡された薬袋を受け取らなければいけない。
それなのに高鳴る鼓動と共に目の前にいる女に釘付けになってしまったオレはおかしなことを口走った。
「……彼氏いる?」
「……はい?」