第43章 【番外編】ここに、いるよ。
「ほの花、俺ももう出るから…っ、扱いて…?」
「っ、は、ぁ…う、ん…。」
達したばかりの体に鞭打って何とか口と手を動かすけど、頭の中は真っ白なまま。
自分からやり始めたことなのだから天元の言ってることは当たり前だ。
だけど、簡単に気をやってしまった自分の思考回路はボヤけていて、その行為をぼんやりと続けるだけ。
だから、『うっ…』という呻き声のような天元の声に意識を浮上させると勢いよく口内に発射された白濁に驚いて一瞬体を引いてしまった。
「っ、おま、馬鹿…!」
「っ!!?」
もちろん射精の最中にそんなことをしてしまえばどうなるかなんて言わなくてもわかるだろう。
私の顔には天元の白濁がそのままかかってしまい、顔には生温かい感触と独特の匂いを感じた。
口内に出されたものは一滴残さず飲んでいるのはいつものことだけど、こんな風に顔にほとんど浴びてしまうのは初めてのことで、目を瞬かせて天元を見るだけ。
「おいおい…、途中で離すなって…、大丈夫か?今拭いてやるから。」
「ご、ごめんなさい…。」
呆れたようにこちらを見ている天元が手探りで手巾を探してくれていたが、私は顔の感覚を頼りに指でそれを掬い取り、いつものようにそれを口内に入れていく。
「は?お、おい…良いから。んなモン舐めんな。拭いてやるから。」
慌てた様子で手巾を引っ掴んだ天元が髪に付着したそれを拭き取ろうとしてくれた瞬間、私は彼の手を掴んだ。
「?どうした?拭いてやるから。」
もちろん天元の言ってることもわかる。
拭かないと髪がカピカピになってしまうだろうし、天元的には自分から出された液体が嫁に付着してるのは嫌なのだろう。
私だって逆の立場なら嫌だ。
でも、今日の私はそんなことよりも大切なことがあった。
掴んだ手を両手で握りしめると彼を見上げて言うことはただ一つ。
「…あの、つづき、しよ…?」
そう。これで終わりなんて嫌だ。
私のことを女として見れないなら反応しなかったはず。
でも、彼の其れは反応を示してくれた。
ちゃんと気持ち良くなってくれた。
だとしたらやっぱり私は天元に抱かれたい。