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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第42章 【番外編】過去との決別





鬼舞辻無惨を倒してから数ヶ月が経った。
遊郭での治癒能力の使い過ぎのせいで、体調は安定しなかったが、最近やっと少しだけ昼寝をしなくても1日過ごせるようになった。


…とは言え、天元が心配性なのはいつものことで、ことあるごとに「寝なくていいか?」と聞いてくれるので、結局今日もまた縁側で天元の膝に頭を乗せている。


好きな人の膝枕でお昼寝できるなんて最高だし、こんな優しくしてくれて嬉しいけど、私には気がかりなことがある。



「ねぇ、天元…?」


「ん?どうした?寝にくいなら布団敷いてやろうか?添い寝してやるよ。(勃起しなけりゃ)」



真上を見てみると、いつもの美丈夫な彼の顔が私を覗いていた。
でも、"気がかりなこと"はとても言いにくいことでもあった。


何故ならばそれは彼にとって、あまり思いだしたくない過去のことだからだ。
今まで過去のことを蒸し返したりしなくても別にいいと思ってきた。
それは嘘ではなかったけど、最近ほんの少しだけ彼の過去を知りたくなった。
いや、知りたいと言うより…、関わりたくなったと言うのが正しいかもしれない。


祝言をあげるのは数ヶ月後の予定だけど、やはり妻になるならば、しておきたいことがあるのだ。
断られたとしても言うだけ言ってみてもバチは当たらないではないか?

そう思って、私は見下ろしてる天元の頬に手を添えた。
左目を失って眼帯をしているけど、右目はいつもの優しい瞳で私をみてくれている。


(…私だって…"宇髄家"の一員になりたいよ。)



私は天元の首に手を回すと思いきって口づけをしてみた。
もちろん彼がそれを拒否することなどない。
押し付けた唇をゆっくりと離すと意を決して"気がかりなこと"を話してみることにした。



「…私、も…天元の御実家に挨拶に伺いたいんだけど…駄目、かなぁ?」


「……………はぁ?!?!」



暫く沈黙が続いた後、天元の驚きっぷりと来たら想像以上で肩を震わせた。
その驚きが決して好反応なものではなく、眉間に寄った皺が彼の感情を物語っている。






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