第41章 【番外編】「娘さんを下さい‼︎」※
恥ずかしい。
めちゃくちゃ恥ずかしい。
だってそれは…図星だったから。
遊郭での戦い以降、私の体調が安定しないせいで、此処まで来るのもみんなが私の体調に合わせてくれた。
本当はもっと早く到着できるところ、ゆっくりここまで来たことによって若干の禁欲生活を送っていたのだ。
正宗達も一緒だから夜に天元と二人きりで寝るというわけにもいかずに彼と触れ合えるのは歩いている時だけ。
疲れた時は抱えてくれるけど、なるべくは自分の足で歩きたいという我儘をみんな尊重してくれた。
その甲斐あって此処まで体調も崩さずにこれたのは感謝してもしきれないほど。
離れの部屋に案内されるのは何となく分かっていたし、やっと天元に甘えられると思ったのにどちらかと言うと彼の方が私の実家で抱くことを若干気が引けるようなことを言っていた。
それに加えて、浴びるほどお酒を飲んでいて下手したらこのまま寝てしまうのではないかと気が気でなかった。
気が気でないということは要するに私は彼に抱かれたかったのだ。
そんなことを気づかれてしまうなんて恥ずかしくて仕方ない。
「さぁ、ほの花…?お望み通り俺の愛を存分に受け取れ。」
天元の声が妙に耳に響いてくる。
大好きなその声が体を包み込むように優しい。
確かに安易なお誘いだったかもしれない。
それでも艶のあるその声を聴いてしまうとゴクリと生唾を飲んだ。
それと同時に降ってきた唇を受け止めると、もう恥ずかしさもそっちのけで彼の首に縋りつく。
彼の唇が私のそれを喰み、角度を変えてまたぱくりと喰む。
情熱的な口づけではないけど、口づけの音を聴くだけで体は勝手に反応してしまう。
「…っ、ん…」
「…ほの花、口開けろよ…」
それはこれから彼の舌が入り込んでくる合図。
私は迷いなく少し唇を開くとにゅるりと入ってきた舌を受け入れた。
じゅる…ちゅぱ…
天元の声はそれっきり聞こえないのに、唾液が絡み合う音だけがこの部屋の空間に響いてきて下腹部に甘い痺れを来す。
触られているわけでも無いのに勝手に子宮が疼くのは天元を求めているからだ。