第34章 世界で一番大切な"師匠"※

"あなたのことなんて好きじゃないです"


そう言われたも同然。


「命令ですか？」そう言ったほの花の瞳に俺が映っていたかどうかはわからない。
まだその男を愛しているのだと言う。

しかし、かたや詩乃は吹っ切れて自分を慕っていると言ってきた。


正直いえば、吹っ切れたら俺のことを好きになるのかと思った。
そうしたら四人目の嫁として迎えられると邪な考えが過ぎったのは間違いない。
三人の嫁はいれど、いま現在コイツへの欲情が止まらないのだ。


それなのに…ほの花は「命令ですか？」と言った。そこに俺への愛は感じられなかった。


師匠の命令ならば身を捧げますと言ったところだろう。


屈辱的なことだった。
腹が立つし、本来ならば興醒めするようなことだ。


だけど、今日の俺は違った。

むくむくと湧き起こる情欲がとどまることを知らない。
口づけをしてしまったからだろうか。

滾った肉棒は腹に突きそうなほど勃ち上がり痛みすら感じる。


「…後悔すんなよ。」


そう言えば、荒々しくほの花の唇を奪うと初めて体に触れた。
腰あたりをさすると、柔らかな肢体の感触にごくりと生唾を飲んだ。
丁寧に摩り、腰から背中あたりを触れていけばほの花の心臓がドクンと跳ねた。


好きでもない男に触られるのは嫌なのだろうが、初めて自分に抱かれるのに十分に慣らさずにシてしまえば流血問題にもなりかねない。

それほど張り詰めた肉棒は猛々しいほどに凶暴化している。


性欲処理をしてもらうという名目ではあるが、少しは気持ち良くなって欲しい。

いや、ほの花の善がる顔が見たかった。


どんな顔をする？
どんな声で喘ぐ？

聞かせてくれよ。


お前を知りたい。


俺の継子で薬師と言うこと以外、俺はお前のことを殆ど知らないのだ。


知りたくて知りたくて

近づいても

ふわりと羽のように飛んでいってしまうほの花。



だけど、今は俺の腕の中にいる。


離しやしねぇよ。


お前は今


俺のもんだ。



誰にも渡さねえ。


再び口内を荒らし始めると同時に俺はほの花の乳房を鷲掴みにした。