第30章 "初めて"をください※
まさかこんな展開になるだなんて誰が予想しようか。
結局はいつもとあまり変わらないではないか。
挿入はできずとも、私が彼に触れられてしまえば気持ち良くなってしまうのはいつものこと。
今も彼が私の胸を揉み始めるから気持ち良くて口淫どころじゃない。
何とか咥え込んで必死に顔を動かしていたが、胸の頂を摘まれてしまうと我慢できなくて其処から口を離してしまった。
「ひっ、やぁっ…!!」
「おいおい、駄目だぞ、ほの花。舐めて?」
「う、…っ!わ、かってるけどぉっ…!は、はなし、て…!」
宇髄さんだって分かってるはずだ。
私がすぐに快感に負けてしまうことを。
いつだって口淫の時に体を弄られてしまえば、それどころじゃなくなってしまうのはいつものことではないか。
それなのに"続けろ"なんて生殺しもいいところだ。
今日は挿入できないのだから悶々とさせるのはやめてほしい。
「やだね。誰が離すかよ。此処だけでもお前は気をやれちゃうだろ?気持ち良くしてやるよ。」
「だ、っ、な、舐めれないからぁっ!」
「それも駄目。ちゃんと舐めろよ。ほら。」
そう言うと肉棒を突き出してくるので、再びそれを口に含むため顔を埋めた。
しかし、少し口内に挿れたらあろうことか宇髄さんが腰を打ち付けてきたので反射的に仰反ったのだが、いつの間にか外された片方の手で頭を掴まれた。
「…ほの花、舐めて?」
「う、ぐっ…!ふ、ぁ…!」
気持ち悪くならないように奥までは挿れない配慮をしてくれているが、口内の入り口付近だけの律動でもその大きさに唾液の分泌が止まらない。
ダラダラと流れ出るそれが口から漏れ出してしまうと抽送の助けにはなるけど、息ができずに苦しくなる。
「ふ、ぇっ、う、ぐ…!」
「鼻で、っ、息、しろ…!」
そうは言われてもあまりの大きさにそんな余裕はない。
しかも、私からの刺激に耐えながらも彼は未だに胸の頂をこねくり回しているため、快感も同時に襲われる羽目になっている。
「はぁ、はぁっ…」という荒い息が聴こえてくるので、宇髄さんもまた気持ちよさに耐えているのだろうが、私よりも余裕がありそうなのは悔しかった。