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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第29章 停戦協定※




殺されかけた相手にも武器を平気で見せてくれるあたり、本当に無防備な子だということは明白。
私がまだほの花の命を狙っていたらどうするつもりなのだろうか。

そういうところが天元は心配でたまらないのだということも手に取るように分かるが、見せてもらった武器を見て、益々彼の心模様が浮き彫りになり心の中で失笑した。


「…これを見て怒ったの?」


「そうなんです…。その方の厚意でこんな可愛くして頂いただけなんですけど…。何がいけなかったんでしょう…?」


なるほどね。
見た目は確かに可憐だし、目の保養だと思うほの花の容姿だけど、その実体は超が付くほどの鈍感娘なのだろう。
平気でこれを見せて「可愛いでしょー?」と言っていったのだろうと予測が立つほど、行動が読めてしまう単純な彼女。
普通の気遣いはしていると言うのに、男女の関係において男心を考慮するという気遣いは頭の片隅にもないようだ。
何なら男心を察する能力は低いと思う。


「はぁ…。あんたね…、とんでもなく馬鹿だったのね。天元も厄介な女を好きになったものね。まぁ、自分で選んだんだから自業自得だけど。」


「…やっぱり、私が悪いんですね…。」


"お前のせいだ"と匂わせたとしてもほの花からしたら、そこを察することができないのだから寝耳に水だ。
注意したところで無意味だろう。
こんな見た目で恋愛は百戦錬磨だと思えば、天元を怒らせた理由もわからないようなボケっぷりに恋愛音痴なのかもしれないとため息を吐いた。


「まぁ、そこはあんたが悪いわ。この武器は確かに可愛いと思うし、病を治してくれた御礼だと言うのも分かる。…だけど、あんたが受け取ったのは"厚意"じゃなくて"好意"よ。」


「…????へ…?え、えと…?こ、こうい…?」


「"好き"の方の好意よ。好きでもない女に此処まで装飾つけたりしないでしょう?この根付けなんて特にそうよ。ただ好きな女に贈り物しただけじゃない。」


大体の経緯はこれで明白になった。
それに早々に気付いてしまった天元が怒り狂って強姦紛いなことをしてしまったのはなんとなく肯ける。
確かに気付かないほの花も悪いが、好きな女を嫉妬に任せて無理矢理抱こうとした天元も悪い。

結局のところやはり夫婦喧嘩は犬も食わないのだ。
まだ夫婦ではないけど。

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