第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
「天元の許しも出たことだし、この部屋は使わせてもらうわね。」
「此処は駄目だ。別の部屋を用意する。」
「嫌よ、此処にして頂戴。大事な物があるなら退かしてくれたらいいわ。何も物盗りをしようなんて思っていないから。」
コイツ…調子に乗りやがって…。
ほの花のことがなければ、数秒とかからずに追い返したものを。
俺はほの花のこととなると冷静でいられなくなる。
「チッ…、ほの花の荷物を俺の部屋に移動させるが、お前のためじゃねぇ。アイツのものに触れられたくないからだ。」
「はいはい。お好きにどうぞ。ゆくゆくはほの花という女と嫁が二人ということになるかもしれないしね?」
「ンなわけあるか。俺の女はアイツだけだ。」
ほの花の薬の調合に必要な器具やら薬棚、箪笥などを全て自分の部屋に運び入れる。
まぁ、俺の部屋は元々広いし、よく考えたら同じ部屋にしとけばいつでもほの花を守れるし、夜這いせずとも毎日隣で眠れることは嬉しいという他ない。
瑠璃に言われたことで荷物を移動させているが、これはこれでなかなかいい案だと思わざるを得ない。
薬の調合をしている時は邪魔をしないように部屋にいることが多かったので、仕事部屋を後から作ってやってもいいが、共に過ごす部屋は此処でいいじゃないか。
アイツは未だに恥ずかしがって着替えすら顔を真っ赤にする始末だが。
そんなほの花が可愛いのだからそれを毎日見られるかもしれないなんて逆に瑠璃に感謝するほど。
部屋に荷物を運び入れると雛鶴が青い顔をして入ってきた。
「天元様…!良いんですか?瑠璃さんのいう通りにしてしまって…!」
まぁ、そうなるよな。
俺だって出来ることならば此処で追い返すのが一番手っ取り早くて望んでいる。
「追い返したいのは山々だが、俺の責任でもあるからな。ほの花のことは俺が守る。あの四人が帰ってきて、俺がいなければ説明たのむ。」
「ほの花さんが…傷つかなければいいのですが…。」
「そうならないように善処する。俺だってそんなこと望んでるわけないだろ。」
不安な気持ちはあるが、自分の部屋にほの花の荷物が入ってきただけでまるで輿入れをしたのよな気持ちになって少しだけ顔がにやけてしまった。