第27章 晴れ時々嵐、柱合会議にご注意を※
宇髄天元様──
お変わりないですか?
こちらも変わりなく過ごしています。
今日は朗報があります。
こちらの感染者が連日0人を達成しており、予防接種も打ち終わりそうなので、予定ではあと三日程滞在し、その後自主隔離期間七日間に入ります。そこで私たちの感染が確認されなければそのまま帰宅することができます。
やっと天元に会えるかもしれないと思うと胸が躍ります。早く会いたいなぁ。
それはそうともう書は送ってこなくて大丈夫ですよ。私の宝物が増えるだけで意味を成していません。余計な労力を使わず、休める時に休んでね。
というわけで、楽しみだった文通もこれで最後です。次は直接会う時にたくさんお話しようね。
たくさんの宝物をありがとう。
大好きだよ。
神楽ほの花──
俺は手紙を読み終えると部屋で一人拳を突き上げた。
先の見えない会えない期間が漸く終わりを告げるのだ。要するにあと十日我慢すればほの花に会えるんだろ?
あと何日間か分かっているならば、それを楽しみに待てるというものだ。
「っ、はー……長かったぜ。禁欲生活…。」
いま俺はほの花欲が止まることを知らない。
ただ抱きたいってだけじゃない。
そばにいたいし、話したいし、視界に入れたいし、もちろん情交もしたい。
抱きしめて眠りにつきたい。
帰ってきたら甘味を食べさせに連れて行ってやろう。
そうだ、任務を調整して非番を取れないか。たまにはアイツとゆっくりしたい。まぁ、任務は急を要することもあるから無理かもしれないが、それでも何とか一日でも二人でゆっくり語り合う時間が欲しい。
兎に角ほの花を感じたい。
アイツは必要ないと言ったが毎回のように送りつけた"俺の女"という書はどうせ背中に貼られることもなくお守りのように持っていただけだろう。そんなことはお見通しだ。
吊り橋効果というかツラい状況に陥った患者がただでさえ天女みたいなほの花に恋に落ちる可能性なんて高いに決まってるから送り付けたと言うのに。
でも、もう良い。
俺の腕の中に帰ってくるならば必要ない。
俺がこの手で守ってやればいいだけのことだからだ。
「…ほの花、早く会いてぇな…。」
俺の言葉は誰にも聞かれることなく部屋の中に響いた。