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陽だまりの先へ【鬼滅の刃/音夢💎】R指定有

第5章 実力試験は実戦で【其ノ弍】






あれは三年程前のこと。
私は里で平穏に暮らしていたが、急に背丈が伸びて女としては"大きすぎる"部類になってしまったことを憂いていた。

「お母様〜!!ねぇ、また伸びた気がしない?」

「うーん、そうねぇ。そんなことないんじゃないかしら。気にしすぎよ、ほの花。そんなことより女は笑顔が大事よ!」


遠回しに大きいことを認めている母はちんまりとした背丈で私はいつの間にか見下ろすようになっていた。
この人の血が流れているはずなのに何故私はこんなにも大きいのだ。

「……こんな大きくなっちゃって…お嫁の貰い手がないかもしれない…。」

「大きい子が好きな男性もいるわよ、きっと。」


慰めの言葉は右から左に通り抜ける。
何故ならば里でも私ほど大きな人間は女性はさることながら、男性ですらあまりいない。
父や兄、正宗達は私より辛うじて大きいのだが、それ以外は里でもなかなか見たことがない。

顔は母に似て女性っぽい顔つきだが、背丈だけ大きい私は後ろから見たら細身の男性と間違われてもおかしくはない。

それに加えて、母が異国の地出身なこともあり、"れでぃふぁーすと"という文化が神楽家には根付いていて、私もそれを色濃く受け継いでいるので、女性を見ると優しくしなければいけないと取り憑かれていた。


そんなある日、里の中でもたまに見かける女性とよく話すようになった。
始まりは母の薬を届けに行った時、その家の娘さんで同い年だったのですぐに仲良くなった。
私と違って小さくて細くて可愛らしい女の子。

暇さえあれば彼女とおしゃべりをしたり、おやつを一緒に作って丘で食べたり…。ごく一般的な友達同士の交流だと私は思っていて、その子のことももちろん大好きだった。

でも、彼女は私と違う"好き"だと気づいたのはそれから半年ほど経った頃。




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