第26章 君の居ない時間※
漸く首が終わったかと思えば、今度は胸、次はお腹、そして今は太腿の内側だ。
「っ、あっ…も、やめ…て、!」
「何で?ああ、此処を触って欲しかったのか。悪かった。」
「ち、がぁっ、や、ぁああっっ!!!」
違う、そうじゃない。
そう言って摘まれたのは胸の頂。
どこもかしこも吸いつかれて頭が白っぽくなって来ていると言うのにまだ秘所の愛撫すら始まっていない。
でも、既にこの行為が始まってから半刻は経過しているのではないか?慈しむように抱いてくれていると言えばそれも間違ってはいないのだが、ギンギンにいきり勃つ彼の屹立は既に涎を垂らしながら此方を見ているのに彼は全くそれに興味を示さない。
それよりも今は私の体に少しでも痕を付けることに必死だと。
そう思っていた。
でも、そう思っていたのは思い違いのようだった。
「っ、て、てんげん…っ!ま、って…!」
そう言って制止を試みれば、彼は視線だけ此方に向けてニヤリと笑った。
まるで私が止めるのを待っていたかのように。
「何だよ、ほの花。どこ触ってほしいんだ?」
「っ、わ、わざと…!?」
「何が?」
「わ、わざと、さ、触ってくれなかったの…?」
「何処を?」
意地悪意地悪意地悪…!!
先ほどまでの弱々しい彼は何処に行ってしまったのか。
やはり宇髄さんは宇髄さんだ。
すっかりと元の彼を取り戻していてその強気な表情に飲み込まれてしまいそうだった。
「…あーあー、全身俺のモンだって印でいっぱいになっちまったな?早く止めねぇからだぜ?」
「だ、って…!」
気持ち良かったから…だなんて口が裂けても言えない。痕を残されながらも彼の愛撫に感じていたのは間違いない。ただ自分が早く秘所に触ってほしくて止めてしまったのだ。
所有印を残すのをやめて欲しかったからではない。
早く
先に進んで欲しかったから。
「こんなに痕残ってたらもう誰もお前を抱こうだなんて思わねぇだろうから俺は満足だけどよ。そろそろお前の下の口がコイツが欲しいんじゃねぇの?」
そんな意地悪を言うと慣らされてもいない秘所にぐちゅと屹立を突きつけた。
その音を聞いただけで口腔内に唾液が分泌されたのが分かる。
そんな私はもう彼に狂ってる。