第26章 君の居ない時間※
「なぁ、準備終わったら抱いていいよな?今日抱いておかねぇと絶対後悔するからよ。」
「わ、分かったけど…、明日腰痛くて動けないほどはしないでよ?」
「それは名案だな…。」
「ちょっとぉーー?!」
こんな弱々しい宇髄さんは見たことないというくらい寂しそうに肩を落とすので何だか可愛く見えてきた。
口づけが終わったと言うのに後から抱きついて離れない宇髄さんが子どものように甘えてくるので愛おしいと感じてしまう。
「天元ー?ちょっと離れてよー。やりにくいよー。」
「絶対ェ嫌だ。」
「えー…?もう仕方ないなぁ…。あー、まさか寂しいの?私がいなくなるから。ふふ。」
「だったら悪ぃのかよ?」
「え…、べ、別に悪く、ないけど…。」
本当に寂しいって思ってくれてるんだ…。
確かにこの執拗な接触はそうかな…とも思ったけど、ただ勝手に決めたことで怒っている感情のが大きいように思っていた。
それなのに素直に寂しいと認める宇髄さんが可愛いと言う形容の仕方があるだろうか?
思わず、後ろを振り向くと頭を抱え込むように抱きしめて後頭部を撫でてみた。
「よーしよし。天元大丈夫だよー。ちゃんと帰ってくるからねぇ。寂しいけど我慢だよー?」
子ども扱いしてちょっとは怒ってくるかと思ったけど大人しく抱きしめられたままで、私の背中に手を回してくる宇髄さん。
益々調子が狂ってしまった私はそれでも頭を撫で続けたが、やはり宇髄さんは宇髄さんだ。
突然、顔を埋めたまま''ちゅぱ"と言う音が聞こえたかと思うと次の瞬間には肌に舌が這う感触。
「っ、ちょ…、て!天元?!」
「よくも餓鬼扱いしてくれてたなぁ?餓鬼はこんなことしねぇよなぁ?ほの花。」
「ちょ、ごめ、わかったから…!ごめんなさい!あとで、準備終わったら…!それからだよ…?」
「もう勃っちまった。」
お腹にその言葉通りに硬く主張したものを擦り付けられると情けなくも自分も変な気分になってしまうのは何故か。
簡単なことだ。
彼にそうやって反応するように教えられてきたからだ。
きっとそんなことは宇髄さんもお見通しだろう。