第24章 情欲は無限大※
一度、所有印を付けて手本を見せてやると、既に蕩けた表情のほの花がそこにいてゴクリと生唾を飲んだ。
「…ほの花?やってみるか?」
「うん、やるー。わたしも、つける!てんげんはわたしのものってしるし!」
「そうだな。俺はおまえのだ。」
こんな風に恥ずかしげもなく言われると嬉しくてたまらない。
いつもの恥ずかしくて目も合わせられないようなほの花もそれはそれで唆るのだが、たまにこう言うほの花が見られるなら酒を飲ませると言うのも一つの方法としては有効だろう。
体の向きを変えて俺の首筋に同じように口付けると吸い付いてきた。
「ほの花、ちょっと甘噛みしてみ?」
「あまがみ…がぶり?」
「がぶりだと歯形が付くだけだろうが。まぁ、それはそれでいいけどよ。少しだけ皮膚を優しく噛んでみ?」
コクンと頷き、言われた通り少し皮膚を噛んできたほの花。酔っていてもそこらへんの力加減はちゃんと分かっているようで痛くはない。
そろそろいいだろうという頃合いに一旦離れさせると、俺の首筋を見て笑顔になるほの花。
「できてたか?ほの花のモンの印。」
「できてた!もっとつけるー!わーい!!てんげんはわたしのー!」
「はいはい。付けすぎんなよ?俺は明日からまた任務なんだから。」
「かわいいおんなのこに声かけられるとやだからつけるのー!」
「かけられねェよ。俺は柱だぞ?誰もビビって声かけてこねぇっつーの。」
「だめぇー!!てんげん、かっこいいからきっとすきになっちゃうもん…。やだ、わたしのだもん!!」
どうしていつもこれくらい言ってくれないのだろうか。今は満ち足りているというのに、日頃これくらい嫉妬心を見せてくれてもいいだろうに。
体裁だなんだって気にしているほの花は己を律することに長けている。
少しくらい外でだって砕けた感じでもいいのに。
「…それなら俺も付けるぜ?お前は俺のだからな?」
「うん!わたし、てんげんのー!!えへへ。」
今度は胸に吸い付いてくるほの花の頭を撫でながら、自分の番が来るのをいまかいまかと待ち侘びるが、一生懸命に所有印を付ける彼女が可愛くて暫く見ていたいとも思った。