第24章 情欲は無限大※
今回の任務は、鬼が出現していた地域の警護が目的。
先に鬼殺隊士が向かっているらしいが、思ったよりも骨が折れる鬼のようで警護がてら柱である俺が行くことになった。
しかし、蓋を開けてみれば到着した時点で階級は低いが何とか鬼の首を斬った後だったので、警護だけして帰ることになりそうだな…と思った瞬間に鬼の様子がおかしいことに気付く。
「…やべぇかもしれねぇな。おい!!お前らーー!逃げろ!!!」
突然の柱の登場に身を固くした鬼殺隊士に俺の言葉の内容は通じない。
チッと舌打ちをすると鬼殺隊士の元へ急行した。
尚も明らかに様子がおかしい鬼の様子に気づかない彼らに間に合うか微妙だと思いながらも目の前に到着すると小脇に抱え込みその場を離れようとした。
しかし、その瞬間大きな音を立てて自爆したその鬼にそいつらを守るようにして蹲った。
爆風が吹き荒れるし、木や葉がその場に撒き散らされるが、不思議と体に外傷を負ってる感覚はない。
少し怪我を負うくらい大したことないと思って身を呈して庇ったが、痛みは感じない。
(…は?俺まさか死んだ?)
そう感じてしまうほど体に負傷した感覚がない。
吹き荒れていた爆風が収まったのを確認するとゆっくりと体を起こしてみる。
自分の体は問題なく動くし、目の前に顔面蒼白の隊士二名も無事のようでほっと一安心した。
「大丈夫かよ?お前ら。」
「っ、お、音柱様こそ、お怪我は?!」
「申し訳ありません…!我々を庇ってくださってありがとうございます!」
「まぁ、柱なら当然のことよ。たまに糞鬼は自爆することもあっから最後まで気ぃ抜くなよ。分かったか?」
深々と頭を下げて詫びを入れてくるその二人を横目に周りを見渡すと民家が近くになかったことで壊れた家とかはなさそうだ。
ホッとしたのも束の間、体の奥が熱くなって来たように感じた。体調不良で熱があるとかそういうのではない。
これは
"情欲"だ。
ほの花とあんな行為を中途半端にしてしまってから此処にきたのだ。
不完全燃焼の情欲が一仕事終えたことで再燃したというならば、早すぎる。
まだ此処にはほの花はいないというのに。
そんな悶々とした気持ちを抱えながら辺りを警護するために巡回し出した。