• テキストサイズ

焦がれた恋情☩こころ☩に蜂蜜を【あくねこ長編】

第3章 捻れた現実


「主様……?」

気遣うように、案じているように。

ラムリの声に、混沌としていた思考が澄み渡る。



「ううん、ごめんなさい」

ぱっと笑みを浮かべて見せる。

けれどその瞳に一瞬過ぎったひかりに、ふたりは思わず息を呑む。




自責、後悔、悲しみ………。

その笑顔とはあまりに相違ある瞳に、アモンの胸がざらついた。




「「…………………。」」



「もう……。」

黙り込んでしまったふたりに、困ったように微笑いかける。



「私のために、そんな顔しないで」

その瞳は常の彼女に戻っていて。

紡ぎかけたそれぞれの唇に、指先をあて微笑んだ。



(いい加減、ふたりを苦しめた報いに慣れないとね)

説き伏せたその事実は、ヴァリスその人でさえも打ちのめした。
/ 143ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp