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焦がれた恋情☩こころ☩に蜂蜜を【あくねこ長編】

第3章 捻れた現実


「ラト……お前、」

厳しい視線を向ける彼に、「ハウレス、私なら大丈夫だから」と

守るように広げた片腕に指をかける。



「しかし………、」

尚も言い淀む。そんな彼に、すこしばかりその瞳の温度を消し去った。



「ハウレス」
やんわりと咎めるように名を呼ぶと。



「かしこまりました」

胸に手をあて一礼する。そんな彼らのやり取りに、その瞳がすこしばかり解けた。



「くふふ……貴女は不思議な方ですね」

優雅だけれど、心が視えない笑み。

彼女をみつめる眼差しは、何処か冷たさをはらんでいた。



「そうかな……?」
穏やかな瞳に笑みを返す。



「えぇ。私が言うのもなんですが、私をみて恐れるものだとばかり……。」

その言葉に、その瞳が厳しさを映す。

けれどそれは一瞬のことで、すぐに常のひかりを宿した。
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